JavaScript MVCフレームワークの「Ember 1.0」正式リリース
JavaScript MVCフレームワークの1つとして知られる「Ember」が、長く続いたβ版の期間を終えて正式版の「Ember 1.0」として公開されました。
EmberはBackbone.jsやAngularJSなどとともにJavaScript用のMVCフレームワークとして知られています。特徴は、テンプレートエンジンのHandlebarsを利用して、データを変更すると動的にビューの部分、つまりWebページ上の表示が自動的に変更される「UIバインディング」など、機能が豊富な点です。
これにより、データを受け取ってそれに合わせてUI表示を書き換えるといった処理をフレームワークに任せることができ、コーディング量が減り、効率的な開発が行えるようになっています。
現在W3Cで策定中のWeb Componentsに似たコンポーネント機能も備えており、独自タグに対して動作と外見を定義し、Webアプリケーションで利用することも可能。
Emberのエコシステムを発展させていく方向に
Ember 1.0のリリースを発表したブログによると、今後大きな変更は予定されていないとのこと。
This 1.0 release is a promise from us: the pain that many experienced while we were figuring out how to build a JavaScript framework for the future of the web is now over. In keeping with the Semantic Versioning spec, there will be no more intentional breaking changes until we release Ember 2.0, which we don't anticipate happening for some time.
1.0リリースは私たちから約束である。Webの将来のためのJavaScriptフレームワークをいかに作り上げるか、という経験と痛みはこれで終わった。セマンティックバージョニングを守っていくことで、Ember 2.0がリリースされるまでは破壊的な変更を行うつもりはなく、その次バージョンもいまのところ予定されていない。
おそらくコアとなるEmberは今後ほぼこのまま維持されることになるでしょう。一方で、Emberの周辺では、Chromeアプリの「Ember Inspector」や、テスティングフレームワークの「Ember App Kit」、データストアのためのライブラリ「Ember Data」などの開発が進んでおり、Ember Componentsなども含めたエコシステムの発展へと注力していくのではないでしょうか。
あわせて読みたい
さくらのクラウドでWindows Server提供開始。日額52円。クラウドのSLA 99.95%、VPSからのマイグレーションも開始
≪前の記事
iOS/AndroidアプリをJavaScriptで開発、OpenGL対応で高速描画の「Herlock」、クローズドβリリース