オラクルの仮想ネットワーク戦略は、InfiniBandの上に構築される
日本オラクルは4月4日、記者向けに同社の仮想ネットワークへの取り組みについての説明会を行いました。
同社の仮想ネットワーク戦略の核となるのは、昨年買収したXsigoのInfiniBand製品。現在は「Oracle Fabric Interconeect」と呼ばれています。物理媒体としてInfiniBandを利用することで低レイテンシで広帯域なネットワークを構築しつつ、そこに仮想的なNICやイーサネットのネットワークを設定する仕組みが提供されるため、アプリケーションからは従来と同様にイーサネットを利用しているように透過的に見える、というもの。
Oracle Fabric InterconnectがInfiniBandの集約装置となり、ここにx86サーバからInfiniBandを接続します。物理的にはサーバから40ギガビットのInfiniBandが2本接続されている状態ですが、オラクル専用のドライバを使い、管理ツールから設定することで、サーバ内に任意の仮想NIC(vNIC)を動的に生成できます。
管理画面上で仮想NICをサーバ上に設定
デモでは、まだ仮想NICが何も設定されていないこのサーバに対して。
画面の操作だけで、別々のクラウドに接続する2つのvNICが設定されました。
これで仮想サーバごとにvNICを用意したり、あるいはWAN接続用とLAN接続用にそれぞれvNICを設けてセキュアに運用するといったことが可能になります。しかもこうした変更はサーバを一切止めずにオンデマンドで可能。
物理媒体はInfiniBandを利用しているため、通常のイーサネットよりも高速にデータ通信が行われるだけでなく、QoSも実現します。また、Fabric Interconnectからファイバーチャネルやイーサネット経由でストレージやほかのネットワークとの接続も実現します。
InfiniBandへの集約と仮想的なNICやネットワークの構築によって、データセンターにおけるケーブルの多さなどからくる複雑性や、増大するデータ転送量などの課題を解決できる、とオラクルは製品のメリットを説明しています。
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