IBM、「x86サーバに匹敵する価格競争力がある」POWER7+サーバを発表。多数のx86サーバをPowerサーバで集約
IBMが独自に開発するPOWERプロセッサを搭載したPowerサーバは、高い性能と信頼性を背景に基幹業務などのハイエンド領域にフォーカスし、いわゆるコモディティサーバと呼ばれるx86サーバとの差別化をしてきました。
そのIBMは今日2月6日、昨年10月に発表されたばかりのPOWER7+プロセッサーを搭載したPowerサーバの新型として、従来よりプロセッサコアあたりの仮想サーバ数が2倍、処理能力にして最大90%向上したミッドレンジ、エントリー向けのサーバ製品群を発表しました。
日本IBM パワーシステム事業部 理事 皆木宏介氏は、「(新サーバ群は)x86サーバに匹敵する価格競争力があり、新しい客層を開拓していく」と発言。Powerサーバでこれまでx86サーバの市場とされていた部分を狙っていくことを明らかにし、ほぼ同等の構成として富士通の製品と比較した資料を公開。Powerサーバの方が安価で高性能であることをアピールしました。
15台のx86サーバを3台のPowerサーバに
皆木氏はPowerサーバの特徴として、仮想化機能の脆弱性が報告されていないほど堅牢であること、ベンチマークによる性能比較ではSPARC64Xの2倍も高速であること、x86サーバと比較してシステムの信頼性を示す停止時間が10分の1であることなどを挙げました。
大量のx86サーバを数台のPowerサーバで集約することで信頼性が向上して故障が減り、またコア数をベースに課金するソフトウェアでは必要なライセンス数も減少するなど、全体のコスト削減に大きく貢献するとのこと。
実例としてカラオケのJOYSOUNDを展開するエクシングでは、15台のx86サーバで稼働していたOracleデータベースを3台のPowerサーバに置き換え、コスト削減のと4倍の処理能力増強を実現したとのことです。
Power7+プロセッサには、Power6からメインフレームの機能を取り入れてプロセッサーレベルで搭載されている、システムのエラー検出機能や訂正機能、エラー発生時のリカバリを実現するRecovery Unitなどに加え、稼働中にプロセッサーのリセットを行えるPower On Reset Engine(PORE)や、L3キャッシュの自己回復機能であるL3 Cache Dynamic Column Repairなどを搭載。さらに信頼性の向上を実現しています。
またエネルギー効率の最適化のために、プロセッサー能力とシステムの負荷の種類や大きさといったワークロードに応じて動的にプロセッサのクロックや消費電力を最適化する機能、さらにプロセッサの省電力化に寄与するチップレット(コアとその周辺)全体をパワーオフにするWinkleモードの追加などを行っています。
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