IBM、米パブリッククラウドのSoftLayer買収。OpenStack対応も進める
米SoftLayerは、一昨年のY Combinator(著名なベンチャー投資会社)の調査によるとAmazonクラウド、Rackspaceに次いでスタートアップ企業に人気のあるクラウドベンダーです。そのSoftLayerをIBMが買収すると発表されました。
SoftLayerはグローバルで13カ所のデータセンターを持ち、10万台以上のサーバ、2万以上の顧客を持っています。規模の大きい方が有利と考えられるクラウド市場において、IBMはトップのAmazonクラウドを追うセールスフォース・ドットコムやマイクロソフト、Googleなどと並んで市場シェアにおける2番手グループに位置しています。SoftLayerの買収は、より早く規模の拡大を実現すると同時に、IBMがあまり強くなかったパブリッククラウドにおけるサービスを補完する意味があったといえるでしょう。
クラウド内で物理サーバもプロビジョニング可能
SoftLayerはIaaS型パブリッククラウドを提供しており、その特長は、専用サーバや仮想サーバ、パブリッククラウドやプライベートクラウドなど柔軟なサービス形態を提供できる点にあります。
例えばデータベースサーバ向けに専用のサーバを利用したい場合、SoftLayerのクラウド内にSAN経由でストレージを接続した物理サーバを仮想サーバと同様の使い勝手でプロビジョニング可能。また、この物理サーバのイメージを仮想サーバに展開するなど、柔軟な管理を実現しています。
こうした構成の柔軟性はエンタープライズ用途でも非常に重宝することでしょう。
IBMはクラウド基盤にOpenStack採用を表明していますが、今後SoftLayerでもOpenStackを基盤として展開していくとしています。
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