IBM、モバイルファースト戦略を宣言。モバイルエンタープライズにフォーカス
「モバイルコンピューティングはターニングポイントを迎えた。いまこそモバイル革命の第二章のときだ」。米IBMはこのような発表文とともに、モバイルファースト戦略を公開しました。
IBMがいうモバイル革命の第二章とは、これまでのモバイル革命がスマートフォンやタブレットなどのデバイスによって引き起こされたという認識の上に、次はソフトウェアでの変革の番だという決意が込められています。「IBMはこの機会を、“モバイルエンタープライズ”というデバイスを超えたものだと考えています」(発表文から)。
IBMのモバイルファースト戦略は、包括的な点に最大の特徴があるとのこと。
IBM MobileFirst offers you true end-to-end mobile solutions. Some providers specialize in service offerings; some focus on platform and application development; some offer only mobile security; while others focus just on mobile device management. We bring it all.
IBMのモバイルファーストは、真のエンド・ツー・エンドソリューション群です。あるプロバイダーはプラットフォームとアプリケーション開発にフォーカスしていたり、あるプロバイダーはモバイルセキュリティのみだったり、あるいはモバイルデバイスマネジメントだけだったりしますが、私たちはそのすべてを提供するのです。
開発ツール、プラットフォームからデバイス管理、ログ分析まで
IBMのモバイルファースト戦略は、以下の6つの要素から構成されています。
IBM MobileFirst Strategy & Design Services
企業や業種が固有に抱えているモバイルに関する問題を解決するためのサービス。
IBM MobileFirst Platform
IBM Worklightのようなモバイルアプリケーション開発ツール、およびRational Test Workbenchのようなテストツール、およWebSphereのようなサーバプラットフォームの提供。
IBM MobileFirst Management
IBM Endpoint Manager for Mobile DevicesやTivoliのような管理ツールの提供。
IBM MobileFirst Security
IBM Security AppScanやIBM Security Access Manager for Cloud and Mobileなど、セキュリティツール、デバイスマネジメントツールなどの提供。
IBM MobileFirst Analytics
Tealeaf CX Mobile、IBM Mobile Commerce、IBM Cognos Mobileのような分析ツールの提供。
IBM MobileFirst Development & Integration Services
IBM Mobile Enterprise Services for Managed Mobility、IBM Network Integration Services for Mobileなど、モバイル用のインフラの構築やアプリケーション展開のためのツールの提供。
モバイルエンタープライズにフォーカス
IBMのモバイルファースト戦略はモバイルに対応する企業、モバイルエンタープライズにフォーカスされています。企業自身がモバイル対応することで、社員の働き方だけでなく、社外の顧客とも密接になる、というのが同社のモバイルエンタープライズに向けた期待です。
IBMはこの数年で10社ほどのモバイル関連企業を買収しており、それらによって上記のような開発からセキュリティ、分析までの包括的なソリューションを提供することになりました。これから、マイクロソフトやグーグル、そのほかの企業も今後こうした一連のモバイルスイートを提供する方向で動くことになるのでしょうか。