Hadoop+SQL+インメモリ、マルチクラウド対応の「Pivotal One」プラットフォーム発表。EMC World 2013
EMCがラスベガスで開催中のイベント「EMC World 2013」。2日目の基調講演には、EMCとVMwareが設立した新会社「Pivotal」のCEO ポール・マリッツ(Paul Maritz)氏が登壇し、クラウド時代のアプリケーション基盤となる「Pivotal One」を発表しました。
Pivotalは、EMCが買収したGreenplumや開発コンサルタントのPivotal Labs、VMwareが買収したSpring SourceやCloudFoundryなどのチームを集めて12月に発足した組織。今月から正式な企業としての活動を開始しています。
Pivotal Oneは、ビッグデータとクラウド時代のアプリケーション基盤として、同社が今年末にリリース予定のアプリケーションプラットフォームです。
新しい時代のプラットフォームを提供するPivotal
EMC会長兼CEOのJoe Tutti氏。
EMC、VMware、Pivotalは、新しい時代のプラットフォームとして完全なポートフォリオを提供する。EMCはインフラを、VMwareはSoftware-Defined DatacenterやBYODの対応を、そしてPivotalはビッグデータやクラウドにフォーカスしたアプリケーション基盤を提供する。
Pivotal CEO Paul Maritz氏。Pivotalは新しい時代に新しいプラットフォームを提供する。
それが「Pivotal One」だ。オープンあるいはオープンソースで、マルチクラウドに対応するためVMware以外のクラウドにもデプロイできる。
このプラットフォームは、クラウドファブリック(Cloud Fabric)の上に新世代のデータファブリック(Data Fabric)と新世代のアプリケーション開発(Application Fabric)を組み合わせたものだ。
HDFSに対してSQLで高速クエリ実行、インメモリも
データファブリックを見てみよう。ビッグデータ時代のデータリポジトリは、ペタバイトのスケールまで対応しなければならず、その一方でコストが安くなければならない。スケール、コスト、信頼性が重要だ。
私たちはこの上にスケールアウトするインメモリテクノロジーを用い、大規模かつリアルタイムなレスポンスでデータ分析可能な機能を提供する。これはGemFireの技術を利用するものだ。さらにGreenplumの技術により、Hadoop/HDFSに対して高速にSQLのクエリを実行する機能も備える。
これを「Pivotal HD」としてリリースする予定だ。
Hadoop/HDFSでSQLクエリの実現はほかのベンダでも実現しているが、私どもは他社と比較して10倍から100倍速い。
(注:HAWQとは、Greenplumで開発されたパラレルクエリエンジン。これがPivotal HDにも搭載される)
今年の終わりにリリース予定
Application Fabricは企業向けのJavaでもっとも人気のあるSpringを中心に構成される。
Cloud Fabricはクラウド時代のオペレーティングシステムで、vCloudでもOpenStackでもWindows AzureでもAWSでも対応する。ベースとなるのはCloud Foundryだ。
Pivotal Oneのリリースは今年の終わりを予定している。
しかしそれまで待てない人は、Pivotal HDは数週間前に利用可能になっており、Springなども利用可能だ。
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