GoogleがMySQLからMariaDBへ内部データベースを乗り換えか
Googleが内部で利用しているデータベースをMySQLからMariaDBに乗り換えたのではないか、という記事が先週からいくつか公開されています。
- Google swaps out MySQL, moves to MariaDB • The Register
- Google Waves Goodbye To MySQL In Favor Of MariaDB – ReadWrite
- Google quietly dumps Oracle MySQL for MariaDB | ZDNet
一番最初の記事となったThe Registgerでは、次のように書いています。
Google is migrating its MySQL systems over to MariaDB, allowing the search company to get away from the Oracle-backed open source database.
GoogleはMySQLシステムをMariaDBにマイグレートしている。これでオラクルが支援しているオープンソースから、検索エンジンの巨人が距離をおけるようになる。
ほかの記事も基本的には同じ論調で、Googleはオラクルがサン・マイクロシステムズの買収に伴って入手したMySQLを嫌って、MariaDBに移行するのだろうというものです。
約1カ月前の8月には、GoogleがMariaDBの開発元であるMariaDB Foundationに開発者を1人派遣していることがThe Registerの記事「Google sniffs at MySQL fork MariaDB: Yum. Have an engineer」で指摘されており、GoogleがMariaDBに対して継続的な支援の姿勢を見せていることは間違いなさそうです。
社内データベースにMariaDB 10.0
GoogleがMariaDBに乗り換えたという報道の情報源となったのは、9月9日から13日までスタンフォード大学で開催された「XLDB 2013」(7th Extremely Large Databases Conference)での、GoogleのシニアシステムエンジニアJeremy Cole氏によるセッション「The MySQL Ecosystem at Scale」です。
Cole氏のセッションの主題は表題通りMySQLのエコシステムでしたが、そこに次のようなスライドがありました(赤線は新野による)。
Google、Facebook、Twitterが社内利用のデータベースとして何を使っているか、という紹介の中で、GoogleはMySQL 4.0のフォークを使っていたが、いまはMariaDB 10.0を使っている、と紹介されています。
現在、MariaDBの最新安定版は、MySQL 5.5に対応したMariaDB 5.5です。Maria DB 10.0とは、MariaDB 5.5の次のバージョンとして開発されており、MySQL 5.6の機能と、さらにMariaDBの独自機能を追加する方向で開発されています。そのためにMariaDB 5.6ではなくMariaDB 10.0という、あえてMySQLとは違うバージョン番号で管理されています。
参考:シャーディングを実現するSpiderストレージエンジン、MariaDBがバンドル開始 - Publickey
Googleはすでに多くのMySQLデータベースを社内で利用しているはずで、それが一気にMariaDBになるのは考えにくいことです。しかしGoogleがオラクルと係争関係にあったこと、さらにCole氏のスライドの情報を合わせると、GoogleがMySQL 5.1以降は(最新版はMySQL 5.6)MariaDBへ移行していくのではないかと思います。
あわせて読みたい
モバイルアプリケーションはクラウドの延長にあると考えるべき。セールスフォース・ドットコムにクラウド時代のモバイルアプリ開発を聞いた
≪前の記事
プライベートクラウドでコスト圧縮だけでなく業務標準化の効果。博報堂アイ・スタジオにおけるクラウド活用例~Cloud Show Japan 2013