Fusion-ioが共有ストレージアレイ市場へ参入。NexGen Storage買収で
サーバのPCIeスロットに直接フラッシュストレージを接続することで、桁違いの性能を持つサーバサイドストレージを実現し、ほぼ単独でサーバサイドのフラッシュストレージ市場を切り開いてきたFusion-ioは24日、共有ストレージの新興ベンダ「NexGen Storage」の買収を発表し、企業向けストレージの主戦場である共有ストレージアレイ市場へ参入することを明らかにしました。
NexGen Storageは、iSCSIでサーバと接続する共有ストレージアレイを提供するベンダです。ストレージ内部に数十ギガバイトのRAM、数百ギガバイトから数テラバイトのフラッシュメモリ、数十テラバイトから数百テラバイトのSASハードディスクを搭載したハイブリッド構成になっています。
RAM、フラッシュ、ディスクの3種類がストレージ内部で自動階層化され、データはインラインデデュープで自動圧縮、これらをソフトウェアで管理することによりつねに最適なストレージ性能が実現されるようになっています。
このストレージ内部に採用されていたのがFusion-ioのPCIeフラッシュストレージでした。NexGen Storageは、サーバに内蔵することを想定して作られたフラッシュストレージをストレージ内部に組み込み、RAMやディスクドライブと組み合わせて性能をソフトウェアによって最適化可能な共有ストレージアレイを開発、製品化していたわけです。
Fusion-ioが拡大戦略をとろうとしたときに有力な買収対象であったことは容易に想像できます。
Fusion-ioが総合ストレージベンダとしての一歩を踏み出した
Fison-ioは買収を発表したプレスリリースで、SME(Small and Medium Enterprises)市場の開拓と、Software-Definedなストレージの実現をさらに推し進めると書いています。
This acquisition is a strategic expansion of the software-defined Fusion-io product portfolio, accelerating Fusion-io’s opportunity in the SME market with a solution built to allow customers to provision both performance and capacity according to their needs.
この買収はSoftware-DefinedなFusion-io製品群の戦略的拡大であり、中小中堅企業向けマーケットに対する機会を、顧客が必要に応じて性能や容量をプロビジョニングできる機能の実現によって拡大することになる。
Fusion-ioの製品は高性能と同時に高価格でもあるため、主な顧客はFacebookのような大規模なオンラインサービス企業やデータセンター、そして一般企業でも大規模なデータベースなど抱えて超高性能なストレージを必要とする顧客でした。
今回買収したNexGen Storageはちょうどそれを補完するように、中小中堅企業向けに、低価格かつ高性能な共有ストレージアレイをディスクとフラッシュ、RAMの組み合わせによって製品化しています。Fusion-ioはこれで総合ストレージベンダとして、EMCやNetAppやIBMなどの大手ストレージベンダと本格的に競合する製品ラインナップへと大きく踏み出しました。
このことは、ハードディスクドライブからフラッシュへと変わる技術の転換点に合わせて、ストレージ市場の勢力図を自社製品群でひっくり返そうFusion-ioからの明確なシグナルだとえいるでしょう。