Fedora 19からはMySQLに代わりMariaDBを標準に採用「オラクルはMySQLプロジェクトをさらに閉鎖的にしている」。MariaDB Foundationもすでに設立
Linuxのおもなディストリビューションの1つであるFedora Projectは、これまで標準のデータベースとして採用していたMySQLの代わりに、Fedora 19からはMariaDBを採用するとして作業を進めています。
同プロジェクトのページ「Features/ReplaceMySQLwithMariaDB」には、その理由が次のように記されています。
Recent changes made by Oracle indicate they are moving the MySQL project to be more closed. They are no longer publishing any useful information about security issues (CVEs), and they are not providing complete regression tests any more, and a very large fraction of the mysql bug database is now not public.
オラクルによる最近の変化は、彼らがMySQLプロジェクトをさらに閉鎖的にしていることを示しています。同社はもはやセキュリティ問題(CVEs)に関する有用なあらゆる情報を公開せず、また完璧なレグレッションテストももう提供しておらず、またかなり多くのバグデータベースが公開されずにいます。
MariaDBはMySQLからフォークしたオープンソースのデータベース。MySQLとバイナリ互換で、上記のページによるとその互換性のために利用者にとってはこれまでと何の変わりもなく使い続けられ、管理者にとっては数ファイルが新しく加わる程度の変更になるとのこと。
MySQLからMariaDBに切り替えたディストリビューションはFedoraが最初ではありません。2011年にはOpenSUSEとGentooがすでにMariaDBを採用済みでした。
MariaDB Foundationの設立
MariaDBの創始者であり、MySQLのオリジナルの開発者であるMichael Widenius氏は昨年12月に「MariaDB Foundation」を設立。設立者の一人である David Axmark氏は、発表文「MariaDB Foundation to Safeguard Leading Open Source Database」の中で次のように発言しています。
The time is right for an independent organisation to to safeguard the interests of MariaDB users and developers as we head towards MariaDB 10”
MariaDB 10へ向かう今こそ、MariaDBのユーザーや開発者たちの守り手となる独立した組織を設立するのに適切な時期だ。
実際に稼働しているシステムのバックエンドデータベースとしては、まだMariaDBの存在感はそれほど大きくありません。しかし今後この流れは変わってくるのでしょうか?
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