EMCがサーバサイドフラッシュの新製品投入、Fusion-ioとの競合強化へ。Violin Memoryもサーバサイドフラッシュ参入
サーバのPCIeにフラッシュストレージを直結することで、従来のストレージよりも圧倒的に高速なデータへのアクセスを実現するサーバサイドフラッシュは、新興ベンダーのFusion-ioがほぼ単独で切り開いてきたカテゴリです。いま、このカテゴリに相次いで競合ベンダからの製品投入が相次いでいます。
EMCジャパンは7日、同社のサーバサイドフラッシュであるXtremSFにeMLCチップを用いた新しいモデルを投入すると発表しました。
同社は昨年、SLCチップを用いたサーバサイドフラッシュ製品を1種類発表し、サーバサイドフラッシュ市場へ参入していましたが、今回はeMLCチップを用いて550GBから2.2TBまでの容量を持つ4つの製品を相次いで投入し、ラインナップの充実を図ります。
同社は名指しこそしないものの、Fusion-ioとの競合を明確に意識した発表を行っており、Fusion-ioよりも高性能であることを強調しています。
またEMCは総合ストレージベンダである強みを活かし、サーバサイドフラッシュを単独のローカルストレージとして使うだけでなく、ストレージアレイと統合されたのキャッシュとしても利用可能にするための専用のソフトウェア「XtremSW」を販売中。重複排除などの機能やVMwarevMotionを備えつつ、ストレージアレイの性能向上を実現できるとしています。
Violin Memoryもサーバサイドフラッシュに参入
先月、日本市場への参入を発表した新興のフラッシュストレージベンダであるViolin Memoryは、米国でサーバサイドフラッシュ製品の投入を発表しました。
Violin Memoryはフラッシュメモリのチップレベルから自社で制御し、性能と信頼性の高い製品であることを特徴としています。これまで同社はストレージアレイ製品を提供していましたが、今回の発表でサーバーサイドフラッシュ市場への参入を果たしたことになります。
製品は1.37TBから11TBまでの容量が選べ、価格は1GBあたり3ドルから6ドルとされています。
IBMなども参入でカテゴリとして確立
サーバサイドフラッシュストレージは、このほかにもQLogicのMt.Rainer、LSIのNytro MegaRAIDなどがあり、またIBMも昨年8月のTexas Memory Systemsの買収で製品を持ち、また開発意向表明もしています。
HDD互換のインターフェイスを備えたSSDよりも、従来のディスクインターフェイスをバイパスしてPCIeインターフェイス経由で接続するサーバーサイドフラッシュは、フラッシュメモリの持つ性能を存分に発揮させることができる方式です。
それゆえ、単に高速なストレージというだけでない、新たなイノベーションがこのカテゴリから登場すると期待されています。それゆえに、ストレージベンダはこのカテゴリへと参入してくるのでしょう。
いまやサーバサイドフラッシュはニッチなストレージ分野ではなく、さまざまなベンダが製品を投入し競合し合うカテゴリとして確立しつつあります。
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