オンプレミスのストレージでDropbox的機能を実現。EMCが企業向け「Syncplicity」で新機能
米EMCは、企業向けのDropboxともいえるクラウドサービス「Syncplicity」に、オンプレミスのストレージを利用可能にする新機能を追加、β公開しました。
Syncplicityは昨年5月にEMCが買収したサービスで、DropboxやSugarSyncのようにPCのフォルダとクラウドのストレージを自動的に同期することができ、クラウド上のファイルはiPadやiPhoneのような社外のモバイルデバイスからも参照可能です。
同期されたファイルはこれまでSyncplicityのクラウドストレージに格納されていましたが、今回発表された新機能では、企業のオンプレミスのストレージ、具体的にはEMCのスケールアウトNASであるiSilonやオブジェクトストレージのAtmosを格納対象にすることが可能になります。
企業の情報部門は、社外とのファイル共有機能やモバイル対応を実現しつつ、情報の管理を社内の設備のみで行うことができる点が利点となります。
一方で利用者も社内の高速な回線を使ってPCのファイルを同期できるようになるため、より快適に利用できるとともに、仕事で重要なファイルはつねに自動的に同期をとっておくことにより自分でいちいちバックアップをとらなくても済むようになり、PCが故障などを起こした場合でもすぐに必要なファイルを取得することができるようになります。
企業向けDropboxは他社
企業向けのDropbox的機能は、EMCのSyncplicity以外にも、VMwareの「Project Octopus」や、シトリックスのSharefile、セールスフォース・ドットコムのChatterboxなどが登場してきています。コンシューマ向けサービスとして始まったDropboxも、チーム向けのサービスを開始しています。
どのファイル同期サービスも基本的には同期されたファイルはクラウド上のストレージに保存されます。今回のEMCが提供するオンプレミスストレージへの保存機能は、昨年買収したときから想定されていたはずで、ストレージベンダのソフトウェアソリューションならではといえるでしょう。