クラウドプロバイダーの「dotCloud」が「Docker」へ企業名を変更。コンテナ型仮想化ソフト「Docker」のビジネス立ち上げにフォーカス
PaaS型クラウドを提供してきたdotCloudは、社名をDockerに変更するとともに、コンテナ型の仮想化ソフトウェア「Docker」のビジネス立ち上げにフォーカスしていくことを発表しました。
Dockerは同社が3月に発表したオープンソースの仮想化ソフトウェア。ハイパーバイザを用いる従来の仮想化ソフトウェアとは異なり、Linux OS上にコンテナと呼ばれるアプリケーションごとに隔離した空間を提供することで仮想マシンを実現します。
すでに稼働しているOS上にコンテナを立ち上げるため、迅速かつ軽量にコンテナが起動できる点や、物理マシン1台に付きOSの実行イメージが1つで済むためメモリやCPUの利用効率が高い点などが利点です。
コンテナ型の仮想化技術は最近急速に注目されており、Dockerはその中でもっともよく知られたソフトウェアの1つ。
Dockerのブログにポストされた記事「DOTCLOUD, INC. IS BECOMING DOCKER, INC.」によると、同社は引き続きdotCloudのサービスを継続するものの、Dockerのビジネスにフォーカスしていくと説明しています。
Docker, Inc.’s primary focus will be supporting the rapidly growing Docker ecosystem, and establishing Docker as a new standard for containerization, an alternative approach to virtualization which is rapidly gaining adoption. The company’s plans to launch Docker-related commercial offerings early next year
Docker社の主要な焦点は、急速に成長するDockerのエコシステムをサポートすることになるだろう。そしてDockerを仮想化の新方式として新しい標準へと進めていく。これは急速に受け入れられつつあるのだ。当社は来年初頭にDocker関連の商用製品を立ち上げる計画だ。
同社はそもそも2010年に著名なベンチャーキャピタルであるY-Combinatorからの投資を受けて始まった会社でした。クラウドサービスdotCloudのベータ版がスタートしたのは2011年。その2年後の今年、同社はクラウドサービスから新しい仮想化ソフトウェアへと大きくピボットしたことになります。
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