DIMMメモリスロットにフラッシュストレージを差す、「Memory Channel Storage」をDiablo Technologiesが発表
不揮発性メモリであるフラッシュメモリをメインメモリのメモリスロットに装着することで、超高速のフラッシュストレージとして利用できる「Memory Channel Storage」を、米Diablo Technologyesが発表しました。
これまでフラッシュメモリを備えたストレージは、ハードディスクの代替としてのSSDやフラッシュメモリを搭載した共有ストレージアレイ、あるいはPCIeインターフェイスを備えたフラッシュストーレジ製品などがありました。
Memory Channel Storageは、PCIeインターフェイスよりもさらに高速なメモリバス経由でストレージにアクセスする仕組みで、あらゆるストレージと比べてもさらに高速なものになります。プレスリリースから引用します。
This innovative approach utilizes the industry standard DIMM form factor and native CPU memory interface, allowing MCS to be a drop-in replacement for standard RDIMMs.
この革新的なアプローチは、業界標準のDIMMフォームファクターとネイティブなCPUメモリインターフェイスを用いています。これは、MCS(Memory Channel Storage)が標準のRDIMMをそのまま置き換えることを可能にしています。
同社は独自の技術でフラッシュメモリをメインメモリのようにプロセッサから見えるようにし、しかも1つのDIMMスロット上に大量のフラッシュメモリを搭載可能にしたと説明。それによって超高速のストレージを実現したとのこと。
Configuring MCS as a traditional block storage device enables new performance levels for applications, all the while reducing latencies by more than 85% over PCI-Express based SSDs and 96% over SATA/SAS based SSDs. MCS latencies are not only significantly lower than any other flash based storage, but also provides deterministic latencies with minimal variability, allowing applications to commit data quickly and consistently.
MCS(Memory Channel Storage)を既存のブロックストレージデバイスとすることで、アプリケーションの新しい性能レベルを実現します。既存のPCIeベースのSSDに対して、レイテンシは85%以上も少なく、SATA/SASベースのSSDに対しては96%以上も少なくなっています。
しかも、MCSのレイテンシは他のフラッシュストレージと比較して単に小さいだけではなく、安定して最小となるため、アプリケーションのデータコミットは常に高速に行えます。
同社はMemory Channel Storageが、DDR3メモリスロットのあるサーバならば問題なく使え、しかも数ギガバイトから数テラバイトの容量を実現できると説明。PCIeスロットを持たないブレードサーバなどでは使えないPCIeスロット型ストレージよりもさらに柔軟な製品であるとしています。
不揮発性メモリがメインメモリとなっていく時代の到来
サーバに外付けのストレージデバイスを装着しなくても、高速なメモリスロットに数テラバイトものストレージを装着できることが普通となる時代がやってきたら、サーバのフォームファクタはもとより、OSやアプリケーションのあり方も大きく変わってくるでしょう。
不揮発性メモリがメインメモリとなる時代が、また一歩近づいたといえます。
ただし、同社の発表からは、Memory Channel Storageを利用するために、OSなどの改変が必要なのかといったソフトウェア対応についての詳しい説明を見つけることはできませんでした。
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