Cloud Foundryの互換プログラムにNTTコミュニケーションズが参加。異なるクラウド事業者間のPaaSポータビリティを実現へ
クラウドのデメリットの1つは、特定のクラウドにロックインされることだと考えられてきました。しかし最近では異なるクラウド事業者間で互換性を持つことで、ロックインの心配をなくそうという動きもあります。例えばVMwareがイニシアチブをとる「vCloud Datacenter」は、VMwareのソフトウェアを利用してクラウドを構築したクラウド事業者がVMwareから「vCloud Datacenter Service」のプロバイダとして認定をもらうことで、移植性や相互運用性を実現するものです。
VMwareがオープンソースで開発しているPaaS基盤ソフトウェアの「Cloud Foundry」も、クラウド事業者間でのポータビリティ(移植性)を保証するプログラム「Cloud Foundry Core」が用意されています。Cloud Foundry Coreプロバイダ同士であれば、事業者が異なってもCloud Foundry上の実行環境であるJavaやRubyやNode.js、MongoDB、MySQL、PostgreSQL、RabbitMQ、Redisなどのポータビリティが実現されます。
NTTコミュニケーションズがCloud Foundry Coreに参加
NTTコミュニケーションズは、同社が提供するCloudn(クラウド・エヌ)のPaaSがこのCloud Foundry Coreに参加したことを明らかにしました。
Cloudn PaaSは昨年12月から開始されたPaaS型クラウドサービスで、Cloud Foundryがベースになっています。同社がCloud Foundry Coreへの表明を明らかにしたことで、Cloud Foundry Coreに参加するほかのクラウド事業者のPaaSなどとの相互運用性が確保されることになります。
すでにCloud Foundry Coreには、CloudFoundry.com、AppFog、Tier 3、Uhuru Softwareなどが参加しており、またPC上でPaaS環境を実現するMicro Cloud Foundryも含まれています。
ロードマップと開発言語のGo言語化
Cloud Foundryでは今月に入り、ロードマップも明らかになりました。概要の日本語訳はここで読めます。
4月には外部からのトラフィックをさばくRouterがGo言語に書かれたものに移行し性能も向上。WebSocketもサポートし、Cloud Controllerのアップデート、アプリケーションの実行基盤となるDEA(Droplet Execution Agent) もアップデートするとのこと。
関係者によると、今後Cloud Foundryは徐々にGo言語ベースで書き換えられていくとのことで、この開発そのものにも注目が集まりそうです。
あわせて読みたい
Chefをベースにした日本製の運用自動化ツール「Cloudrop」、エクシードから
≪前の記事
Opera、レンダリングエンジンにWebkit採用をブログで発表。まずはスマートフォン向け、その後デスクトップ版も