モバイル向けBaaSベンダの「Parse」、Facebookが買収
モバイル向けのバックエンドサービス「BaaS」を提供するベンダーとしてもっとも有名なベンダの1つであったParseが、Facebookに買収されたことを発表しました。
Parseは、モバイルデバイス向けにREST APIなどを経由してデータストア、プッシュ通信、ユーザー管理、TwitterやFacebookなどソーシャルとの連係、位置サービスとの連携機能などのサービスをクラウドとして提供する、いわゆるBaaS(Backend as a Service)を提供するベンダ。
Facebookの開発者ブログでもこの買収のことを紹介し、次のように書いています。
By making Parse a part of Facebook Platform, we want to enable developers to rapidly build apps that span mobile platforms and devices.
ParseをFacebookプラットフォームの一部にすることで、デベロッパーがさまざまなモバイルプラットフォームやデバイスに対応するアプリケーションの迅速な開発ができるようにしたい。
この買収によって、既存のParseを利用したアプリケーションへの影響はなく、今後Facebookの認証を使うように強要されることもないと説明されています。
Parseを買収する理由は?
Facebookは何を意図してParseを買収するのでしょうか? 発表をそのまま受け止めれば、Facebookをプラットフォームとしたモバイルアプリケーションの開発を活性化させたいということでしょう。
TechCrunchの最近の記事「今、起こりつつあるAPIエコノミーとか何か?」では、APIを中心としたエコシステムがこれからできあがるだろうと予想。FacebookによるParseの買収もその動向に沿ったものだと説明し、次のようにParse買収の意義を予想しています。
ParseはParseプラットフォーム上でAPIを使用するアプリに育まれた活気ある安定データ源としての役目を果たす。今後このデータをどのようにパッケージ化、セグメント化し、その10億ユーザに対して効果的な広告を送り出すかを決めるのはFacebookだ。
Facebookはモバイルアプリの開発にHTML5でいちど失敗し、ネイティブアプリとして作り直すなど、モバイルの面ではやや出遅れている印象があります。Parseの買収でサードパーティによるモバイルアプリの活性化を図り、そこへ広告をからめていくことを意図しているのでしょうか。
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