Google Cloud Endpoints公開、グーグルもモバイル向けBaaSへ参入。Google App Engineがモバイルのバックエンドに
グーグルは、モバイルアプリケーションのバックエンド向けクラウドサービス機能「Google Cloud Endpoints」などを含む新バージョンのGoogle App Engine、「App Engine 1.7.5」をリリースしました。
App Engine 1.7.5ではGoogle Cloud Endpoints以外に、Java 7ランタイムのサポート、1GBメモリが利用できるインスタンスの追加などが含まれています。
Google Cloud Endpointsを利用することで、開発者はiOSやAndroidのモバイルアプリケーション、もしくはWebブラウザ上で動作しているJavaScriptなどから、Google App Engineの機能やストレージを利用できるようになり、開発者はGoogle App Engine上でモバイル向けアプリケーションのビジネスロジックなどの開発に注力できます。
クラウド側を呼び出すクライアントライブラリを生成
Google Cloud Endpointsの主な機能は、iOS、Android、JavaScriptなどからApp Engine上のアプリケーションを呼び出すためのクライアントライブラリを生成してくれることです。しかもApp Engineの機能だけでなく、グーグルが提供する検索やGoogle DriveやYouTubeやGoogle+や翻訳などさまざまなAPIもサポートしています。
モバイルデバイスとクラウドとのやりとりは、RESTfulもしくはRPC API経由で行われます。
開発者はまず、Google App Engine上でバックエンドアプリケーションを開発。その後、Google Cloud Endpointsを利用して対応するクライアントライブラリを生成。そのクライアントライブラリを用いてiOSやAndroidのモバイルアプリケーション、もしくはJavaScriptアプリケーションを開発することで、モバイルアプリケーションからGoogle App Engine上のバックエンドアプリケーションを呼び出すことができます。
APIの一覧は「APIs Explorer」から参照でき、利用しているAPIの管理は「APIs Console」からできます。また、Google Cloud Endpointsの開発環境としてEclipseのプラグインが提供されています。
PaaSのモバイル対応は今後も充実していく
モバイル向けクラウドサービスのBaaS(Backend as a Service)は、ParseやKinvey、Appcelerator Cloud Servicesなどモバイル専業のサービスが当初注目されていましたが、昨年にWindows AzureがMobile Servicesを追加、セールスフォース・ドットコムのForce.comもモバイル対応に積極的な姿勢を見せており、そして今回Google App EngineでのGoogle Cloud Endpoints対応と、従来のPaaSがモバイル向けサービスを充実させる方向が見えてきます。
企業用途においても、これからはPCだけではなくタブレットやスマートフォンなどのモバイルデバイスの重要度が高まることは明らかです。PaaSのモバイル対応は今後もさらに充実していくことになるでしょう。
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