Amazonクラウド、仮想プライベート機能(VPC)を標準提供へ。エンタープライズ攻略に向けさらに前進
Amazonクラウドをこれから利用するユーザーはすべて、最初から自動的にクラウド内に自分のプライベートクラウドを持つことができるようになる。Amazonクラウドは、同社のクラウドで今後はAmazon VPC(Virtual Private Cloud)機能を標準提供することを発表しました。
同社のブログから引用します。
事前にVPCを作成する必要はありません。EC2-Classicでやっていたのと同じように、単にEC2を起動したり、Elastic Load Balancer、RDS データベース、ElastiCacheクラスターを配備するだけで、追加の費用なく、VPCを作成します。このVPCの中でリソースが起動され、パブリックIPアドレスが各EC2インスタンスにアサインされます。
Amazon VPCの標準化でエンタープライズ攻略に前進
Amazon VPCは2009年に登場したサービスです。企業が自社のシステムをクラウドで稼働させようと考えたとき、自社のサーバルームの延長のように自由にアクセスでき、しかしインターネットからは安全に隔離されているネットワーク空間をクラウド内に作りたいと望みます。Amazon VPCはそのような、文字通りの仮想プライベートクラウドを提供することを目的にしたものです。
Amazon VPCへの接続は、当初はIPsecを使ってインターネット経由でトンネリングをする方式でしたが、その後AWS Direct Connectの提供によって専用線での接続が可能になり、まるで専用線で接続された自社データセンターがそこにあるかのようにAmazon VPCを使うことが可能になりました。
エンタープライズ系の顧客にとってこの機能が最初から標準でついてくることは、クラウドの利用をこれまでより容易かつ魅力的にすることでしょう。
Amazon VPCはAmazonクラウドにとってエンタープライズ向けサービスの中核ともいえるサービスです。それを標準機能にし、前面に押し出すことを明確にした今回の発表は、これまで続いてきたAmazonクラウドのエンタープライズ攻略が、さらに一歩前進したことを示すものといえます。
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