Amazon EBSのように、ソフトウェアでスケーラブルなブロックストレージを実現するScaleIO、EMCが買収。フラッシュストレージと統合へ
ストレージ大手のEMCが買収を発表したScaleIOは、スケーラブルなブロックストレージを実現するソフトウェアベンダです。同社のScaleIO ECSを用いると、Amazon EBSのようにソフトウェアの設定だけでサーバから利用するブロックストレージの容量や性能を設定できるようになります。
EMCはこれによって、クラウドプロバイダー向け、あるいはプライベートクラウド向けのストレージ市場に向けて、スケールアウト可能なブロックストレージのソリューションを手にしたことになります。
フラッシュとスケールアウト可能なブロックストレージを統合
一般にブロックストレージはサーバに直接接続ストレージ、あるいはiSCSIやSAN(Storage Area Network)で接続したストレージで実現します。
ScaleIOはこれらのストレージを、従来のストレージ専用機器ではなく汎用サーバとソフトウェアでデータサーバとして実現。データクライアントとなるサーバにも専用のクライアントソフトウェアを入れ、複数のデータサーバを束ねて1つのブロックストレージとして扱えるようにします。
データサーバの追加や削除は運用中でも動的に行え、一部のデータサーバが障害で落ちても全体としての運用は継続可能など、耐障害性と性能を備えたスケールアウトストレージを実現します。
EMCは買収したScaleIOをフラッシュ製品事業部へ統合すると発表しており、フラッシュストレージとスケールアウト機能を統合したさまざまなソリューションを提供できるとしています(EMC to Welcome ScaleIO to the EMC Flash Product Division | EMC PulseEMC Pulseから引用)
With ECS as the foundation, EMC can build out a scale-out server stack for a wide variety of use cases like VDI, virtualization, databases, and HPC…in several target markets. For example, we can provide elastic, dynamic and flexible Flash storage to service provider partners who provide public cloud to their customers.
ScaleIOのECSを基盤とすることで、EMCはさまざまなユースケースに対応したスケールアウトサーバのスタックを構築できるようになります。例えば、VDIや仮想化、データベース、HPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)……といったさまざまな市場です。あるいは、スケーラブルでダイナミックな柔軟なフラッシュストレージを、パブリッククラウドベンダなどへも提供できるでしょう。
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