[速報]VMware、性能を2倍にしたvSphere、ネットワーク仮想化のVMware NSXなど発表。VMworld 2013
VMwareの年次イベント「VMworld 2013」がサンフランシスコで開幕しました。VMwareは前回のVMworldで提唱した、データセンターのリソース全体を仮想化しソフトウェアで制御するSoftware-Defined Datacenterを戦略の中心として推し進めています。
基調講演に登壇した同社CEOのパット・ゲルシンガー(Pat Gelsinger)氏は、このSoftware-Defined Data Centerを実現する構成要素として同社の新製品の発表を行いました。基調講演の前半を、製品発表に焦点を当ててダイジェストで紹介します。
性能を2倍にしたvSphere 5.5発表
VMware CEO、パット・ゲルシンガー氏。
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Software-Defined Data Centerは、コンピュートの仮想化からはじまり、ストレージの仮想化、そしてネットワーク仮想化、自動化のためのマネジメントツール、この4つが要素となる。
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まずコンピュートの仮想化から見ていこう。私たちは仮想化をあらゆるアプリケーションに拡大していくつもりだ。データベースも含むすべてのアプリケーションを仮想化インフラに載せていくことをさらに推進していく。
そこで「vSphere 5.5」と「vCloud Suite 5.5」を発表する。vSphere 5.5は、物理CPUやメモリ対応が前バージョンの2倍となった。可用性機能も高まり、サーバサイドフラッシュを仮想化することでデータ読み込み性能も向上している。
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また、オンプレミス、オフプレミスの環境でPaaSを実現するCloud Foundry on VMwareのアーリーアクセスプログラムを開始した。
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Virtual SANパブリックベータ公開
ストレージに目を向けてみよう。アプリケーションに必要なデータはストレージに保管されている。しかもSAN、NAS、フラッシュストレージアレイ、サーバサイドフラッシュ、オブジェクトストレージ、スケールアウトNASなど、さまざまなアプリケーションの要件に対応すべくさまざまなストレージが存在しており、非常に複雑だ。
しかしストレージ仮想化はイノベーションを可能にしてきた。例えばVAAIのAPIやStorage vMotionなどが実現されてきた。これをさらにSoftware-Defined Storageへと進化させていく。
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仮想サーバのバーチャルデータプレーンとして、「VMware Virtual SAN」を発表する。これはハイパーバイザを拡大し、コンピュートとローカルストレージをポリシーによって統合したものだ。サーバサイドSSDやHDDの上で、ポリシーベースのデータプレーンを実現する。
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Virtual SANはパブリックベータを公開し、2014年前半に製品リリース予定。
これ以外にも、ストレージ業界との協力で外部ストレージに対する「Virtual Volumes」が現在テクニカルプレビュー、vSphere Flash Read Cache、Virstoはすでに利用可能だ。これら4つのテクノロジーが私たちのSoftware-Define Storageのテクノロジーだ。
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ネットワーク仮想化を実現するVMware NSX発表
ネットワーキングに目を移そう。今日最大のポイントだと私は考えている。
仮想マシンのプロビジョニングのバリアに、ネットワークがなりつつある。ネットワークの構成や設定をマニュアルで行う必要があり、時間がかかるからだ。
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そこで本日、「VMware NSX」を発表する。
VMware ESXがサーバの仮想化を実現するように、VMware NSXはネットワークの仮想化を実現する。ネットワークのサービスや機能がソフトウェアによって仮想マシンのように立ち上がるようになる。
VMware CTO ネットワーキング担当のマーチン・カサド(Martin Casado)氏が登場。
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VMware NSXは仮想スイッチを基盤にし、既存の物理ネットワーク機器を変える必要はない。サーバのハードウェアの上にハイパーバイザが仮想マシンを作るように、NSXはネットワークの上にネットワークを作り、それはまるで物理ネットワークのように見える。そしてその運用モデルは仮想マシンと同じようにプロビジョニングやコピーやクローンができる。
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いつそうなるのか。実は仮想ポートが物理ポートを2012年に上回っている。
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つまりテクノロジーはもうボトルネックではないのだ。eBay、GE、Citiなどはすでにネットワーク仮想化を使い始めている。
ネットワーク仮想化はSoftware-Defined Datacenterのためのキーテクノロジーだ。
次の記事「VMwareがOpenStackの積極サポートを表明、独自クラウドの「vCloud Hybrid Service」正式リリース。VMworld 2013」に続く。
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