「ネットワーク機器は無償で置いておくので、使った分だけお金を払っていただければ。あ、機器管理はウチでチェックしてます」 IIJがネットワーク機器で富山の薬売りモデル開始

2013年1月24日

IIJは、無線LANやVPNなどの機能を備えた機器を無償でユーザー企業に貸し出し、機能を利用した分だけ課金するサービスを開発。OEMを通じて提供を開始すると発表しました

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同社が新しく開発したサービスアダプタ「SA-W1」は、WAN用のGbEポートを1つ、LAN用のGbEポートを4つ備え、IEEE802.11b/g/nに対応した無線LAN機能、IPsecなどを備えたネットワーク機器です。

この機器をユーザー企業に無償貸与し、IPsecによるVPNや無線LANアクセスポイントとして利用可能。機能の有効化や設定、運用管理をユーザー企業が行う必要はなく、機能ごとに課金されるようになっています。

ユーザー企業は自社で機器を購入することなく低価格でネットワークサービスを導入可能で、運用管理の手間もかからない利点があります。

IIJはこれをOEMとして提供。まずは同社のグループ企業であるIIJグローバルソリューションズがサービスの提供を予定。機能は「レシピ」と呼ばれるソフトウェアで追加可能になっており、今後さらに「L2-VPNレシピ」「LTE+3Gモバイルアクセス冗長レシピ」「mrubyスクリプトレシピ」や「WAN高速化レシピ」などの提供を予定しているとのことです。

AmazonがKindleを原価で売るようなモデルか

ネットワーク機器を無償で貸し出して機能ごとに課金するモデルは、IIJの本業がインターネット接続事業であり、ネットワーク機器を利用してくれるほど本業の業績につながるからこそ採用できるのではないかと想像されます。

これはAmazonが、電子書籍などのコンテンツ配信の売り上げにつながるためデバイスのKindleをほぼ原価で販売しているのと似ています。

ITの分野では、こうしたサービス部分の売り上げを源泉にしてハードウェア機器の部分を無償で提供する、あるいは従来ハードウェアで提供されていた機能がソフトウェア化し、限りなく価格低下していくといったことがあちこちで起きています。ハードウェアに付加価値を付けて販売していた従来のSIer系のビジネスモデルは、あらためて見直しの機会が近づいてきているといえるでしょう。

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