インテル、メモリ容量を3倍にしたインメモリ処理向け新プロセッサ「Xeon E7」、第二世代Atom SoCなど発表。IDF Beijing 2013
先週4月10日から11日かけて中国北京で開催された「Intel Developers Forum Beijing 2013」(IDF Beijing 2013)。インテルは今年、インメモリコンピュータに対応し搭載メモリを3倍に拡大、最大12テラバイトを利用可能な新プロセッサXeon E7、ストレージ専用に設計されたAtom SoCなど、新型プロセッサを次々に投入予定であることを基調講演で明らかにしました。
3番目の基調講演に立ったダイアン・ブライアント(Diane M. Bryant)氏の講演内容から、新プロセッサの発表部分をダイジェストで紹介します。
2013年はサーバ向け製品ダイナミックレンジの拡大を行う
シニアバイスプレジデント&ゼネラルマネージャ データセンター&コネクテットシステムグループ ダイアン・ブライアント氏
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インテルはこの15年、データセンタービジネスに投資してきた。サーバ、ストレージ、ネットワーキングの全体をカバーし、エンタープライズからハイパフォーマンスコンピューティングまで対応できるデータセンターの知財を揃えてきた。
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今年は、低消費電力のAtomプロセッサからハイエンドのXeon E7まで、製品のダイナミックレンジ拡大を行う。
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Xeon E7は搭載メモリ3倍、インメモリコンピューティング対応
コード名「Ivy Bridge-EX」と呼ばれていたXeon E7製品ラインを発表する。
この製品は従来よりも3倍のメモリを搭載可能で、インメモリ処理をターゲットにしている。4ソケットで6テラバイト、8ソケットでは12テラバイトのメモリを搭載できる。
さらにRun Sure Technologyと呼ばれる、マシンチェックアーキテクチャを統合。エラーが起きてもシステムが復帰できるようになっており、ミッションクリティカルの信頼性を一段と高いものにした。
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データセンターの主力となっている2ソケットのXeon E5も刷新される。22nmテクノロジーでエネルギー効率がさらに高まる。
IDCによると、すべてデータセンターの75%でXeon E5 2ソケットシステムが使われており、まさに全世界のデータセンターの主力ラインだといえる。
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シングルソケットのXeon E3製品ラインは、今年中盤に出荷予定だ。インテルの次世代マイクロアーキテクチャ「Haswell」を採用し、13ワットまで電力消費を削減しつつビデオ処理性能などを向上させた。高精細のビデオを並行して10本処理可能だ。
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ストレージ向、ネットワーク機器向けAtom SoC発表
そしてまだ大きな発表がある。Atom SoCの拡張版だ。
インテルは昨年11月、マイクロサーバのセグメントに64ビット対応で仮想機能などを搭載したAtom SoC(System on Chip)を発表した。
今日発表するのはストレージ向けのAtom SoC。40レーンのPCIe gen2に、ハードウェアRAIDなどを搭載している。
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さらに今日、マイクロサーバセグメントをターゲットにした第二世代のSoCを発表する。コードネーム「Avoton」だ。22nmプロセスを採用し、またイーサネットアダプタ機能をプロセッサに統合することで、性能の大幅な飛躍とさらなる低消費電力を実現した。
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また、コード名「Rangely」と呼ばれるネットワークインフラ向けのAtom SoCを発表する。パケット処理のアクセラレータをSoCに組み込み、ルータ、スイッチ、セキュリティアプライアンスなどのネットワーク機器がターゲットだ。
ラックデザインを再発明する
イノベーションは続く。私たちはまだクラウドコンピューティングの入り口にいるのだ。
新たなイノベーションのエリアの1つとして、データセンターラックデザインを再発明する。
ラックをもう一度見直し、どうすれば効率性、高性能、低消費電力を実現できるかを考えてみよう。超大規模なクラウドプロバイダは、もっと密度を高めることで、トータルの運用コストを下げたいと考えている。
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現在はまず、冷却、電源、管理を物理的に集中させた。次の段階ではファブリックを統合し、銅線でのワイヤリングからシリコンベースのフォトニクスのインターコネクトを採用することで、より低コストになる。
将来は、ストレージ、コンピュート、メモリのプールをまとめることで、よりユーティリティとしてコンピュータリソースを利用できるようになるだろう。
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