マイクロソフト、買収したYammerとは別に、自社開発のソーシャル「OfficeTalk」もリリース予定か
マイクロソフトは今年6月、企業向けソーシャルメディアの新興企業Yammerを買収し、ソーシャルエンタープライズ分野への本気度を示しました。
TwitterやFacebookのようなコンシューマ向けサービスとして生まれたソーシャルメディアですが、いまでは企業内の新たなコラボレーション基盤として注目されています。セールスフォース・ドットコムのChatterをはじめ、SAP、Oracle、IBMなど大手ベンダが相次いで自社の業務アプリケーションにソーシャル機能を統合しているのです。
マイクロソフトのYammer買収は、マイクロソフトもソーシャルエンタープライズの分野へ真剣に取り組んでいることを示しました。
しかし、あるマイクロソフト関係者によると、Microsoft Officeのオンライン版であるOffice 365の新バージョンでは、Yammerとは別にマイクロソフト社内で開発されてきた企業向けソーシャルメディア「OfficeTalk」が提供されるだろうとのことです。
二本立ては珍しくない
OfficeTalkの存在が明らかになったのは2010年3月。米マイクロソフトのWebサイトの中にある「Microsoft Office Labs」のコーナーで、現在OfficeTalkが試験段階にあり、コンセプトなどを探っていることが示されました。上記の画面もこのときに公開された者です。
マイクロソフト関係者によると、マイクロソフトの社内ではこのOfficeTalkがずっと使われてきており、それが次のOffice 365のリリースに合わせて製品化、はじめて社外への提供が始まるとのこと。
マイクロソフトとしてはOffceTalkとYammerの二本立てでソーシャルエンタープライズ機能を提供することになると見られます。
似たような機能を複数の製品を通じて提供することは、マイクロソフトにとってそれほど珍しいことではありません。例えば過去には統合コミュニケーション機能を備えたLyncを製品として提供していながら、Skypeを買収しています。重要と見られる分野であれば、重複に構わず買収して複数の選択肢を提供することが同社の戦略のひとつといえるでしょう。