「Windows Phone 8」はWindows 8とOSコアを共通化、IE10も共通化、ネイティブAPIも共通化し、コードの移植もスーパーイージー
マイクロソフトは6月21日(日本時間)、スマートフォン向けOSの次のバージョンとなるWindows Phone 8を発表しました。
最大の特徴は、OSコアをはじめ可能な限りWindows 8と内部の共通化をはかった点です。ドライバやコードの移植性が、Windows 8とWindows Phone 8のあいだで劇的に高まったとのこと。
またWindows Phone 8にはInternet Explorer 10も搭載。これもHTMLレンダリングやJavaScriptエンジンのコアを共通化したことで、機能も性能も向上。PCとスマートフォンで同じレンダリングになることで、Webデベロッパーの開発も容易になると説明しました。
発表のハイライトを紹介します。
OSコアをWindows 8と共通化
Windows Phone 8の最大の特徴は「Shared Windows Core」。現バージョンのWindows Phone 7はWindows CEをベースにしていたが、Windows Phone 8ではWindows 8とコアを共通化する。
Shared Windows Coreとはいくつかのコンポーネントのセットであり、カーネル、ネットワーキング、ファイルシステム、マルチメディア、グラフィックスなどが含まれる。
その利点は、コンシューマにとってデバイスの選択肢が広がり、デベロッパーはアプリケーションの移植性が高まり、ハードウェアデベロッパーはドライバモデルがWindowsと共通化されるためドライバの開発が容易になり、開発コストが劇的に下がる。
マルチコア対応、幅広い画面解像度のサポート、そしてMicroSDのサポートも行う。
Internet Explorer 10も共通化
Internet Explorer 10を搭載。コアのHTMLレンダリングやJavaScriptテクノロジーはWindows 8と同じものを採用する。つまり、PC上でオーサリングしたものは、そのままWindows Phone 8でも同じように表示される。
HTML 5にも対応。JavaScriptの性能は4倍に。
ネイティブAPIもWindows 8と共通化
ネイティブコードのデベロッパーには嬉しい知らせがある。Windows 8とWindows Phone 8のプラットフォーム共通化により、ネイティブコードの移植がスーパーイージーにできる。これまでに見たこともないようなゲームがWindows Phone 8で登場するだろう。
9種類のネイティブAPIはWindowsとWindows Phoneで共通であり、ネイティブコードの移植性は非常に高い。
NFCサポートと地図のオフラインサポート
NFCのネイティブサポートも行う。
クレジットカードやデビットカード、メンバーズカード、クーポンなどあらゆるものをサポートし、もっとも完成度の高い電子ウォレットを実現する。
地図はノキアマップテクノロジーを採用。オフラインもサポートする。
SQLiteをWindows Phone 8に移植した(新野注:おそらくHTML5のIndexedDBサポートのためではないかと思われます)。
デベロッパーには複数の選択肢を。企業向け機能も
アプリケーションデベロッパーはC#やVisual BasicとXAMLで開発できる。ゲームデベロッパーはDirect3DとC++/Cを使える。そしてWebデベロッパーはInternet Explorer 10に対応した開発が可能
企業向けの機能も搭載している。セキュアブートやBitlockerによる暗号化。アプリケーション配布の管理、デバイスマネジメントなどだ。
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