Windows Azure上に「仮想Cloud Foundry」を構築。AmazonとAzureのアプリ互換を実現したAppFog
「AppFog」は、クラウド上でPHPやPython、Ruby on Rails、Node.jsなどの実行環境を提供するPaaSです。AppFogはAmazonクラウドの上に、VMwareが開発したオープンソースのPaaS基盤であるCloud Foundryを用いて構築されています。
AppFogの提供元である米AppFog社は、IaaS機能が大幅に強化されたWindows Azureでも、PaaSとしてのAppFogを提供すると発表しました。
Amazonクラウド上とWindows Azure上のAppFogには互換性があり、AppFogのアプリケーションであればどのクラウドでも実行可能です。開発者はアプリケーションをどのクラウドでも実行できるようになります。
Windows Azure上に「仮想Cloud Foundry API」
もともとCloud Foundryを基盤にしたPaaSを、AppFogはどのようにWindows Azureへ移植したのでしょうか? それは「仮想Cloud Foundry API」をWindows Azure上に載せたと説明されています。
We built a virtual Cloud Foundry API which translates the REST API into Azure’s brand new REST API. We also built technology to sync accounts across our Cloud Foundry and Azure systems.
私たちは「仮想Cloud Foundry API」を開発しました。これは、REST APIをAzureの新しいREST APIへと変換するものです。私たちはまた、私たちのCloud FoundryとAzureで同期させる技術も開発しました。
アカウントの同期により、ユーザーはAppFogにログインすると、そのアカウントでアプリケーションをAmazonクラウドにも、HPクラウドにも、Windows Azureにもデプロイできる、ということのようです。
これはMSが望んだこと、HerokuがAzureに乗ってもおかしくない
AppFogはWindows Azureへの対応にあたり「マイクロソフトと緊密に連携して実現した」と説明しています。いままでAmazonクラウドをIaaSとして利用してきたPaaSベンダに対して、Windows Azureに乗り換えてくれるようマイクロソフトがアプローチしていることは十分考えられることで、例えばこの先、HerokuがWindows Azureへの対応を表明してもおかしくないでしょう。
Windows AzureがIaaSとなり、Amazonクラウドのようにその上でオープンソースを中心としたさまざまなフレームワークやアプリケーションが展開される、というのは、マイクロソフトが今回のWindows Azureの強化で望んだ方向です。
今後さらにこうした事例が増え、AmazonクラウドとWindows Azureの競合、ユーザーにとっては相互利用が、目立つようになってくるでしょう。
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