Windows Azure、クラウド内ネットワークを1ギガから10ギガへ高速化し構造も刷新した第二世代ハードウェアを全データセンターに構築
マイクロソフトは、Windows Azureの全データセンターに対して新世代のハードウェアとなる「Flat Network Storage」を構築。ストレージの能力向上につなげたことをWindows Azureブログ「Windows Azure’s Flat Network Storage and 2012 Scalability Targets」で説明しています。
説明によると、データセンター内のこれまでのネットワークは1Gbpsのイーサネットで階層型のトポロジーでしたが、これを10Gbpsのイーサネットにし、フラットなトポロジーのネットワークにすることでノード間のトラフィックが効率よく行き来できるようにしています。これによってコンピュートとストレージの接続が高速になり、今年投入が開始されたVM Roleが可能になっただけでなく、MapReduceやHPCといった帯域幅を多く必要とするアプリケーションの実現にも役だったとのことでした。
マイクロソフトはこの新しいハードウェア構成を第二世代のストレージ(Gen 2)とし、2012年6月7日以降に作成されたストレージアカウントでは、このGen 2が利用されるそうです。
マイクロソフト独自のイーサネットファブリック実装
今回採用されたフラットなトポロジーのネットワークは、マイクロソフトリサーチが以前に論文「VL2: A Scalable and Flexible Data Center Network」(pdf)で解説したものの実装にあたります。このVL2では、従来の階層型のトポロジを持つネットワークをフラットなトポロジにすることであらゆるノード間の通信を高速に結ぶと共に、トラフィックのロードバランスおよび複数の経路を動的に選択できるECMP(Equal Cost MultiPath)の機能がネットワーク内に備わっているため、トラフィックが大きく変動しても安定して高速な通信経路を確保し、障害にも強く高い帯域幅を実現すると説明されています。
これはいまデータセンターのネットワークで注目されているイーサネットファブリックの考え方と同じであり、マイクロソフトは自社開発したイーサネットファブリックの実運用を開始したとみることができます。
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