無償のWebサイト構築ツール「WebMatrix 2」、新版はiPhone/iPadエミュレータ、Node.js、CoffeeScriptなど対応
先週末に行われたWindows Azureの新機能を紹介するイベント「Go Azure」の基調講演の中で、Azure以外に興味を引かれたソフトウェアがありました。マイクロソフトが無償で公開しているWebサイト構築ツール「WebMatrix」の新版、「WebMatrix 2」です。
WebMatrixは、HTML/CSS/JavaScript/PHP/ASP.NETなどに対応したエディタ機能を備え、コード補完機能も搭載。ローカルにデータベースやWebサーバを用意してPHPの動作をそのまま確認したり、WordPressやDrupalなどのWebアプリケーションをローカルで試すこともできました。
下記はその画面(参考:マイクロソフト、無償のWeb開発環境「WebMatrix」を公開。HTML/CSS/JavaScriptエディタ機能、PHP対応、FTP機能など手軽で便利な統合ツール)。
現在RC(リリース候補版)が公開中のWebmatrix 2ではさらに、CoffeeScriptやLess、SASS、SCSSといった言語のコンパイル、iPhone/iPadのエミュレータ、Node.jsの対応など、モダンなWebサイトを構築するデベロッパーにとって魅力的な機能強化が行われています。
iPhone/iPadのエミュレーション、Node.js対応
新機能の目玉の1つが、iPhone/iPadのエミュレーション機能。Go Azureのデモで紹介されました。メニューを選択すると、
iPhoneのエミュレーション画面が現れて、Webサイトがどう見えるかを確認できます。ちなみに、下記のiPhone画面の中に表示されているのはWebMatrixマン。
(追記:調べてみるとこのエミュレーション機能はElectric Plumから提供されている「Electric Mobile Simulator(Lite)」で、「GPS simulation, localStorage, accelerometer and touch events are all included.」と説明されています。ただしLite版なのでこのフル機能が含まれているかどうかまでは分かりませんが、単に画面サイズを合わせただけではなく、ある程度作り込まれていることは確かなようです)
またWebMatrix 2のエディタ機能では、jQuery Mobileに対応したコード補完にも対応、さらに拡張機能をインストールすると、CoffeeScriptのほか、LESS、SASS、SCSSのCSS拡張言語に対応。コンパイルするとターゲット言語を生成します。
WebMatrixはローカルにWebサーバ、データベース、PHPなどの実行環境をインストールしますが、新機能としてローカルでのNode.js実行環境も構築されます。Node.jsを試してみたい開発者には手軽に使えるツールとなるでしょう。Node.js対応のコード補完にも対応。
Windows Azureとの連係強化
WebMatrix 2はWindows Azureとの連係が強化され、開発したWebサイトをWindows Azureへすぐにデプロイできるようになっていますが、FTP機能も備えているため、通常のWebホスティング先へ転送することも可能です。
マイクロソフトはWindows Azureで、積極的にオープンソースに対応していく姿勢を表明しました。Windows Azureの開発環境としてのVisual Studioはマイクロソフト純正開発環境として機能強化される一方、WebMatrixはオープンソース対応における開発環境として強化されていくように見えます。そして今回のWebMatrix 2で、Node.jsやCoffeeScriptなどオープン系の機能強化が行われたように、今後も拡張機能で新しい機能追加が期待されます。
いずれにせよ、これだけの機能が無償で提供されるツールはWeb系の開発者から見て、かなり魅力的なのではないでしょうか。
さらに詳しい情報は、以下のリンクなどで読むことができます。
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