VMware、クラウド構築を実現する「vCloud Suite」を発表、フラッシュストレージも仮想化へ。VMworld 2012
VMwareがサンフランシスコで開催中のイベント「VMworld 2012」。今回のイベントの目玉は、クラウド構築のためのソフトウェアスィートである「vCloud Suite」の発表でしょう。
同社は数年前から仮想化ハイパーバイザを基盤にストレージやネットワークの仮想化機能、管理機能などを強化し、統合的なクラウド構築のための基盤ソフトウェア提供へと進化させてきました。
vCloud Suiteの発表は、それがある程度完成したことを示すものだといえます。初日の基調講演の後半で行われたvCloud Suiteの説明のハイライトを紹介します。(ここで紹介する内容は、記事「VMwareが「Software-Defined Datacenter」の実現を約束。VMworld 2012」の基調講演に続いて行われたものです)
vCloud Suiteは包括的なクラウド構築ソフトウェアだ
VMware CTO、開発部門シニアバイスプレジデント Steve Herrod氏。
vCloud Suiteは、包括的なプライベートクラウド、パブリッククラウド構築のためのソフトウェアだ。
そのためにインフラとしてのハイパーバイザをさらに強化した。まずはその面について紹介する。
今回のバージョンでは64vCPU以上を扱え、100万IOPS以上の性能を提供する。あやゆるアプリケーション、クリティカルなビジネスアプリケーションにも対応できるはずだ。
仮想環境でHadoopを効率的に稼働させる「Project Serengeti」にも取り組んできた。要求に応じて伸縮するHadoop環境だ。
フラッシュストレージもリソースプール化
vMotionは仮想環境での可用性やディザスタリカバリの鍵となる機能だが、シェアドストレージを必要としていた。
Software-Defined Datacenterを考えたとき、特定のサーバが特定のストレージにつながっていなければならないといった制約があるべきではない。
そこで最新バージョンのEnhanced vMotionでシェアドストレージを不要にした。メトロネットワークのような帯域幅に制約のある環境でも十分高速に動作する。これで、Software-Defined Datacenterにおいても可用性やディザスタリカバリを実現できる。
さらに、サーバとストレージを自由に組み合わせるハーチャルボリューム、フラッシュをCPUやメモリと同じようにリソースプール化できるバーチャルフラッシュ。アプリケーションにフラッシュストレージの階層を自由に割り当てられる。
サーバに内蔵されたダイレクトアタッチストレージもSANと同じようにデータセンターのリソース化できるバーチャルSANなどの機能も提供する。
論理的なネットワーク構構築を実現へ
データセンターには多くの物理的に重要な機器が並んでいる。スイッチ、トラフィックマネジメント、ファイアウォールなどだ。これらを適切に接続してネットワークを構築しなければならない。
いまこれを解決しようという動きが業界全体で起きている。仮想化されたデータセンターもその1つだ。vCloud Suiteも、物理的なネットワークを論理的なネットワーク構成として実現する。
こうしたネットワーク仮想化に取り組むエコシステムとしてvXLAN ECOSYSTEMをパートナーと構築する。
シスコとはvXLANを提供するだけでなく、仮想ネットワーク、物理ネットワーク、セキュリティなどその他のさまざまなでも協力していく。
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