シスコがvCiderを買収したのは、VMwareがNiciraを買収したことが背景?
ネットワーク機器最大手のシスコシステムズは10月4日、vCiderの買収を発表しました。
vCiderはどんな企業なのでしょうか? シスコの発表によると、vCiderは、オーバーレイによる仮想ネットワークを実現する技術を持っていたとのこと。
vCider has expertise in the development of virtual network overlay technology for secure data center infrastructure.
vCiderは仮想ネットワークオーバーレイ技術でセキュアなデータセンターインフラを実現する専門性を持っている。
このvCiderの技術は、GigaOmの記事「Cisco buys vCider to boost its distributed cloud vision」によるとVXLANに似た技術だそうです。
vCider’s technology works in much the same way as VXLAN,
VCiderの技術はVXLANと同じような働きをする。
これによってシスコはネットワーク仮想化を強化したといえます。
VMwareのNicira買収が背景にあるか
VXLANとは、VMwareとシスコなどが共同で推進してきたオーバーレイ技術によるネットワーク仮想化の規格です。
しかしVMwareは、オーバーレイ技術による仮想化ネットワークを実現するために、VXLANとは異なる技術であるOpenFlowを推進するNiciraを7月に買収しました。これはシスコにとって、VMwareが独自の仮想ネットワーク化戦略をとり、シスコとのパートナーシップに距離を置き始めたと映るはずです。
今回シスコがVMwareと一緒に推進してきたVXLANではない(と推測される)技術を持つvCierの買収に踏み出したことは、ネットワーク仮想化を強化する目的だけでなく、このVMwareとのパートナーシップの変化が理由の1つにあったのではないかと考えられます。
と同時に、両社から少しずつ距離が置かれているように見えるVXLAN技術は今後どうなるのでしょうか。両社ともすでにVXLANを製品に組み込んでいるため、急な変化があるとは思えませんが、今後のネットワーク仮想化技術の中でVXLANの将来性が揺らいできているようにも見えます。
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