「Software-Defined Datacenter」の実現を阻むのはネットワーク部分。2013年にはVMwareとNiciraの製品を統合する
ネットワーク分野の新技術として注目されるOpenFlowを推進するベンチャー企業として知られていたNiciraが、仮想化ソフトウェア大手のVMwareに買収されるという電撃的なニュースが飛び込んできたのは、今年の7月のことでした。
今週11月6日から2日間、都内で開催されたVMwareのイベント「vForum2012」では、Niciraの共同設立者で、現在VMwareのネットワーク分野のチーフアーキテクトであるマーチン・カサド(Martin Casado)氏が、VMwareのビジョンであるSoftware-Defined Datacenter実現への道のりの中で、ネットワーク仮想化が果たす役割、およびVMwareとNicira製品の統合について説明しました。
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カサド氏のセッションからポイントを紹介します。
VMwareとNiciraの製品は2013年には1つの製品に
カサド氏。サーバ仮想化によってサーバの調達は数分で可能になったが、そのサーバに関連するネットワークの設定、例えばVLANやファイアウォール、ロードバランサやストレージの設定などはまだマニュアルで行わなければならず、ここがデータセンター全体の自動化の自動化のハードルになっている。
実は昨日もある顧客と話をしたが、そこではネットワークのコンフィグレーションに平均で5日かかるそうだ。
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VMwareは、サーバだけでなくデータセンターのあらゆる部分を仮想化し、自動化し、すべてが3分で用意されるようなSoftware-Defined Datacenterの実現をゴールとしている。
Niciraは、ネットワークの仮想化を実現するために、サーバ仮想化と同じように、ネットワークの機能を物理的なネットワーク機器から分離。新しく「ネットワーク仮想化レイヤ」を提供する。
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ネットワークを仮想化すれば、プロビジョニングが数分でプログラムによって完了する。仮想マシンとも結びつけて、どこへでもライブマイグレートできる。
サーバ仮想化によって、物理サーバがどんなサーバベンダでもよくなったように、ハードウェアとネットワーク機能を切り離すことによって、スイッチ機器はどのベンダでも選べるし、すべてを自動化できる。
VMwareの環境では、vCloud Networking and Securityが使え、ヘテロな環境ではNiciraのNVPを使ってネットワークの仮想化を実現できる。これらは2013年には1つの製品になる予定だ。
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