「クラウドにこそ必要なSIがある」、地場の小規模SI案件などが増加。サイボウズが支援プログラムを発表

2012年9月27日

「(クラウドの)cybozu.comを導入したお客様のうち、パッケージからの移行が約3分の1、他社からの移行が3分の1で、残りの3分の1はグループウェアを使ったことがなかったお客様。明らかにクラウドは市場のすそ野を広げている」。

サイボウズ代表取締役社長 青野慶久氏は、26日に都内のホテルで開催したイベント「Cybozu.comカンファレンス2」の記者発表会場でこう発言し、クラウドが市場を広げているとの認識を示しました。

「クラウド版を見てみると、5ユーザーとか7ユーザーといったお客様がたくさん含まれている。グループウェアを使うのは10ユーザー20ユーザーくらいからだと思っていたが、そうではないとクラウドが教えてくれた」。青野氏はこうした小規模ユーザーが増えた理由として「クラウドでは運用をまかせられるからではないか」と分析しています。

fig イベントには「元気があればチャレンジできる!」アントニオ猪木氏がゲストで登場。世界にチャレンジするためになにをすべきか、などを青野社長と語り合った。最後に青野社長にも闘魂を注入し、会場に向かって「1、2、3、ダーッ!」とコールして去っていった。

地場のシステムインテグレータの小規模案件が増加

サイボウズ 林田保(たもつ)ビジネスマーケティング本部 副本部長は、クラウドによって同社のパートナーやSI案件にも新たな変化がでてきたと話します。

「クラウドになるとSIが崩壊するという話があるが、10カ月クラウドサービスを提供してみると、実はクラウドにこそ必要なインテグレーションというのがある。というのが見えてきた」

具体的には、クラウドとオンプレミスの統合や、クラウド間の連係などのインテグレーション案件が発生してきているとのこと。そこで同社は、データ連係のための各種APIの実装やID管理のためのAPI、シングルサインオンを実現するためのSAML対応などを進めていくとしています。

またクラウドではこれまでとパートナーの業種も異なる傾向にあると林田氏。「従来のパートナーはSI中心だったが、ハードウェアを扱う業者の方々だけではなく違う事業者からもKintone(同社のクラウドサービスの1つ)を扱いたい、という要望がある」(林田氏)。導入のコンサルティングや教育といったパートナーが新たに登場しているとのこと。

もうひとつの特徴として、地方のインテグレータの採用が増えているとも林田氏は指摘。

「従来の東名阪だけでなく、地場の小規模なインテグレータが、これならアプリを作ってエンドユーザーの要望に応えられるだろうということで(サイボウズのクラウドを)扱うというのがある」と林田氏。「特徴として、何百万円何千万円という話ではなくて数万円から始められる簡単なシステム、でもやっぱり情報システム担当は時間がなくて作れません、というようなものを提供するインテグレータさんがたくさんでている」(林田氏)

新たな認定パートナー制度を発表

サイボウズは、こうしたクラウドの機会を捉えた新たなパートナー制度を発表しました。

新制度は同社の業務アプリ構築クラウドの「kintone」を対象とした「kintoneパートナー認定資格制度」。「認定クラウドディベロッパー」と「認定セールスアドバイザー」の2つがあり、同社の技術講習会やセールスアドバイザー向け講習会に出席し、一定以上のスキルに到達した人が認定されるもの。

認定されたパートナーには開発環境の無償提供や、技術情報提供、デモ用アカウント発行などの支援などを行う予定。また、個別に仕切り価格の設定なども行うとしています。

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Junichi Niino(jniino)
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