PR:Node.js専用クラウドとCloudStack採用クラウドを実現した「IDCフロンティア」と「ファーストサーバ」、その戦略とは
Node.js専用のPaaS型クラウド「Node Ninja」やWordPressが超高速で動作する「PHP Ninja」など、個性的なクラウドサービスを展開するファーストサーバ。オープンソースのクラウド基盤である「CloudStack」を国内で初めて採用し、クラウドを横断的に管理できる「RightScale」にも対応してグローバルなオープン化路線を進めるIDCフロンティア。
先進的な取り組みを進める両社は、いずれもYahoo! JAPANグループです。両社のユニークなクラウド戦略はどのような考えに基づくものなのでしょうか。
戦略立案のキーパーソンである、ファーストサーバ株式会社代表取締役にして株式会社IDCフロンティア取締役事業企画本部長 磯部眞人氏に話を聞きました。
クラウドのグローバルなプレイヤーになる
──── 磯部さんはNode Ninjaなどのファーストサーバの戦略、そしてCloudStackの採用などIDCフロンティアの戦略のどちらにも関わっているとおうかがいしました。それぞれの戦略がどのような考えに基づくものなのか、まずは経緯を教えていただけませんか。
磯部氏 IDCフロンティアからお話しすると、弊社はもともと通信会社ですが、いまはデータセンター事業が主力です。つまり回線からデータセンターまで、上流から下流までを持っている点で強いポジションにいると考えています。
クラウドを考えたとき、これからはグローバルなユーティリティプレイヤーになる必要があると考えました。そのために独自でAmazon互換機能を開発しようしていました。ところが米国を回って情報収集をしているうちに、クラウドブローカーであるRightScaleのマイケル・クランデル社長からRightScaleがCloud.com(現Citrix Systems)に対応をすることを知りました。
CloudStackはインドのTaTa CommunicationsやKorea Telecomなど、海外のキャリアがクラウド基盤として採用しています。クランデル氏の勧めとキャリアでの実績、これがCloudStack採用を決断した理由です。
──── CloudStackの採用や、先日発表されたRightScale対応にはこのようなグローバルなユーティリティプレイヤーとしての戦略があったと。新しいデータセンター建設にも取り組んでいらっしゃいますね。
磯部氏 今後のITの使われ方を予想すると、これからはデータセンターが中心となり、トラフィック量はいまの10倍、100倍に増えていくでしょう。その中でデータセンター事業のプレイヤーは集約されていくはずです。その中でIDCフロンティアは回線原価をきっちり抑えた運営ができる。これが強味です。
データセンターそのものも進化させます。北九州に作ったデータセンター「アジアン・フロンティア」の4号棟が4月に稼働開始しますが、その次の第三世代のデータセンターを福島県白河市および「アジアン・フロンティア」5号棟として建設予定です。これはデータセンターの電力効率を示すPUEが1.2以下と、グローバルで見ても非常に優れた値になる設計で、サーバの熱を縦方向の気流で逃がすチムニー方式や、通信レイテンシを小さくするためのラック配線方式など、さまざまな新しい取り組みを行っています。
クリエイターにフォーカスするファーストサーバ
──── IDCフロンティアはインフラの強化路線を進めていくと理解しました。ではもう一方のファーストサーバの戦略について教えてください。こちらはNode.jsの採用などさらにユニークですね。
磯部氏 今後スマートフォン時代がやってきたときには、サーバに対してものすごいセッション数が要求される。いわゆるC10K問題が起こります。それをどう解決するか。その答えがファーストサーバのサービス「Node Ninja」で採用したNode.jsと、その基盤となる「Z Cloud」です。
セッション要求とそれに対する応答はミリセカンドの単位で行われます。Z Cloudは、瞬間的に多数のセッションが要求されてもバースト機能で瞬時に対応できる。それもNode.jsや最近よく使われているNginxなどは基本的にI/Oがノンブロッキングなので多数のセッションを高速処理できます。
ただ、これらは既存のクラウドと比べるとまだ使いにくい点がある。そこで、Z Cloudの高速性を活かして使いやすくするためにWordPressを載せた「PHP Ninja」も3月6日から無償でベータ公開しました。驚くほど高速にWordPressが動くので、クリエイターの人たちにぜひ使ってみてほしいですし、WordPress以外のPHPアプリケーションや開発環境も今後公開予定です。
さらに、モバイル用クラウドサービスのStackMob 、Kinvey、ParseといったBaaS(Backend as a Service)も視野に入れ、クリエイター、デベロッパーに使いやすい、スマートフォン時代に強いクラウドサービスを実現していきます。
──── 最後に、今後の展開について教えてください。
磯部氏 私どもは、ネットワークとデータセンターの両方を持っており、基本的に品質がよいという点で自信があります。そのうえでIDCフロンティアでは、仮想プライベートクラウドや仮想環境への接続サービス、オブジェクトストレージといった機能、サービスを強化していきます。そのうえで、アジアを視野に入れてビジネスを進めていくつもりです。
一方でファーストサーバは、いずれやってくるスマートデバイスの大きな時代への適応を見据えて、二年先くらいを考えてやっていると自負しています。
この2つで、統合的なIaaSというか、バックエンド全体をサービス化したBaaSといったものを作っていければと考えています。
(本記事は株式会社IDCフロンティア提供のタイアップ記事です)
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