Open vSwitchがLinux 3.3でメインラインにマージ、標準サポートへ
3月18日にLinuxの最新版「Linux 3.3」が公開されました。今回のバージョンではAndroidプロジェクトのコードのマージが大きな特徴の1つですが、ネットワーク関係でも大きな前進がありました。1つはOpen vSwitchがメインラインにマージされ、Linux 3.3から標準サポートとなったこと、そしてネットワークインターフェイスを束ねて帯域幅の拡大を実現する「Teaming」機能が改善されたことです。
LinuxにはすでにLinux bridgeがありますが、Open vSwitchはさらに高度な機能を備えたソフトウェアスイッチとして標準サポートされるとのこと。仮想環境のソフトウェアスイッチとして普及しつつあるOpen vSwitchは、さらにその地位を固めようとしています。
なぜOpen vSwitchがLinuxのメインラインに?
ところで、なぜOpen vSwitchがLinuxのメインラインにマージされるのでしょうか? 昨年2011年11月に公開された文書「Routing Open vSwitch into the mainline」によると、Open vSwitchのコードにカーネルモジュールが1つ存在するそうです。
Most of Open vSwitch is implemented in user space, but there is one kernel module that makes the whole thing work; that module was submitted for review in mid-November. Open vSwitch tries to make use of existing networking features to the greatest extent possible; the kernel module mostly implements a control interface allowing the user-space code to make routing decisions. Routing packets through user space would slow things down considerably, so the interface is set up to avoid the user-space round trip whenever possible.
Open vSwitchのほとんどはユーザー空間で実装されているが、1つだけカーネルモジュールがあり、それが全体を動かしている。このモジュールが11月中旬にレビューへと提出された。
Open vSwitchは、できる限り既存のネットワーキングの機能を使おうとする。前述のカーネルモジュールは、ユーザー空間のコードがルーティングの判断を下せるようにする制御インターフェースを主に実装している。ユーザー空間を経由してパケットをルーティングすると、かなり処理速度が落ちてしまうので、このインターフェースはできる限りユーザー空間を経由せずに済ませるようになっている。
Open vSwitchにこのカーネルモジュールがあるため、メインラインにマージされたのでしょう。
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