NoSQLは流行ではなく発展し続ける。MongoDBにインテルとレッドハットが戦略的投資を実行
NoSQLは一時の流行ではなく、データベースの一分野として着実に発展し続けていくことは間違いないでしょう。問題は、数多く登場したNoSQLデータベースの中のどれが生き残るか、でした。その有力候補の地位をMongoDBが固めたようです。
MongoDBの開発元である10genは、インテルとレッドハットが同社に対して戦略的投資を実行したと発表しました。投資金額は未公開です。プレスリリースから引用します。
10gen will use the funds to further invest in product development for MongoDB and to better support its rapidly growing community and user base worldwide.
10genはこの資金を、MongoDBのさらなる製品開発と、急速に成長するコミュニティや世界中のユーザーをよりよくサポートするために利用するつもりだ。
インテル(正確にはIntel Capital)とレッドハットにとって、NoSQLマーケットに対する初めての投資とのことです。
NoSQLデータベースの生き残り組が鮮明になってきた
一般にNoSQLといえばキーバリュー型データストアが連想されますが、MongoDBはドキュメント指向データベースに分類されます。MongoDBは柔軟なスキーマ構成でドキュメントを保存できるほか、自動的なスケールアウトやレプリケーションといった分散処理機能に優れているのも特徴です。FoursquareやCraigslistのWebサイト、Disneyのゲームサイト、Intuitのサービスなどのバックエンドに使われるなど実績も多く、最近ではモバイル向けサービスのバックエンドでもよく使われています。
ソーシャルメディアの発展やモバイルデバイスの普及によって、文章や画像、動画などの非定型データが大量に生成され、ネット上で交換されています。既存のリレーショナルデータベースでは扱うのが苦手なこれらのデータを高速かつ柔軟に扱えるプラットフォームとして、NoSQLの重要性は高まっています。
NoSQLデータベースは数年前からのブームの中でさまざまなソフトウェアが登場してきました。その中でインテルとレッドハットが10genのMongoDBを選択して投資をしたことは、多様なNoSQLデータベースの中でMongoDBの存在感を鮮明にする効果があるでしょう。
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