ライアン・ダール氏、Node.jsの開発リーダーを退く
Node.jsの開発者であるライアン・ダール氏は先週1月31日、「I am ceding my position as gatekeeper to Isaac Schlueter. 」(私は自分のゲートキーバーとしてのポジションをIsaac Schlueterに委譲しているところだ)とNode.jsのメーリングリストにポストし、Node.jsの開発リーダーを退くことを明らかにました。
I am still an employee at Joyent and will advise from the sidelines but I won't be involved in the day-to-day bug fixes. Isaac has final say over what makes it into the releases. Appeals for new features, changes, and bug fixes should now be directed at him.
私は引き続きJoyentの従業員であり、側でアドバイスしていくが、日々のバフフィックスなどには関わらないつもりだ。Isaacがリリースをどうするかという最終決定権を持つ。新機能や変更、バグフィックスなどの要望は直接彼に伝えてほしい。
ダール氏のポストには数多くのリプライが届けられており、新たにゲートキーパーとなったIsaac氏への祝福と、ダール氏への感謝やねぎらいの言葉が重ねられています。
実験的プロジェクトから成熟へ
ライアン・ダール氏がNode.jsの開発を始めたのはいまから約3年前。当初は個人のプロジェクトとして開発していましたが、Joyentの申し出によりダール氏は同社の従業員となり、Node.jsもJoyentのプロジェクトとなりました。
Node.jsは、JavaScriptをサーバサイドで使えること、そしてI/O待ちが発生しないノンブロッキングであることが大きな特徴で、新たなプラットフォームとして注目を集めました。
最近ではマイクロソフトの支援によりWindows環境へも移植され、eBayがSQLとJSONをNode.js上で組み合わせた新言語「ql.io」を発表、国内での採用事例なども登場してくるなど、実システムへの普及が期待されています。
Node.jsは現在のバージョン0.6でLinux/Windows共通の基盤がほぼできあがり、これに合わせて全体を書き換えるような大きな変更も一段落したと見られます。Node.jsにはこれから成熟が求められるようになると予想され、ライアン・ダール氏もそうした節目を感じてポジションを譲ったのかもしれません。
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