jQuery Mobile 1.1、正式版が早くも登場!
昨年11月にjQuery Mobile 1.0として最初の正式版が登場してからわずか5カ月。最初の大きなバージョンアップとなるjQuery Mobile 1.1.0がリリースされました。
jQuery Mobileは、HTML5のタグを書くだけでプログラミングをせずにモバイルアプリケーションが作れるJavaScriptのフレームワーク。開発されたアプリケーションは、iOS、Android、WebOS、Windows Moblie、Symbianなどさまざまなモバイルプラットフォームで動作します。
jQuery Mobile 1.1では、画面上部もしくは下部につねに表示されるFixed Toolar(固定ツールバー)のちらつきがなくなった点、画面遷移がよりスムーズになった点などの改善が行われています。
固定ツールバーがCSSベースに
モバイルデバイスのユーザーインターフェイスとして、画面上部につねに固定されたツールバーを表示することはよくある実装です。しかしjQuery Mobile 1.0をリリースした時点では、この固定ツールバーをCSSで実装するための「Fixed Position」プロパティは、主要なモバイルデバイスのブラウザすべてで利用できるとは限りませんでした。
そのためjQuery Mobileの固定ツールバーはJavaScriptなどで実装されており、画面上でちらついたり、全体の動作速度を落とすといった問題につながっていました。
その後、主要なモバイルブラウザでCSSのPosition Fixedの実装が進んだおかげで、jQuery Mobile 1.1ではCSSベースの実装へと変更され、確実かつ安定した固定ツールバーが実現したとのことです。
新しい固定ツールバーに対応するのは、iOS5、Android 2.2/2.3/Android 3.x tablets (Honeycomb)/Android 4.x (ICS)/Chrome for Android (beta)など。
画面遷移の改善、jQuery 1.7.1への対応など
jQuery Mobileでは、画面が遷移するときなどにスライドしたりポップアップするなどのアニメーション効果が利用できます。jQuery Mobile 1.1では、この動作が以前より高速かつスムーズになるよう改善されています。
また、これまで8種類だった画面遷移のアニメーション効果に、新たに「Turn」と「Flow」が追加されます。TurnはWindows PhoneのMetro Styleの画面遷移に、FlowはiOSのiPadでの画面遷移に似ているとのことです。
そのほかjQuery 1.7.1への対応、小さなフォーム要素「Mini form elements」の追加、Asynchronous Module Definition(AMD、非同期モジュール定義)サポートによりjQuery Mobileの内部構造を一新して実行時ダウンロードなどに対応。
現在、jQuery Mobileの必要な機能だけを選択してダウンロード可能にする「Custom Download Builder」の開発も進んでいるとのことです。
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