HTML5に続く“HTML.next”へ取り組むための体制変更へ。W3CのHTMLワーキンググループ
W3CでHTML5の仕様策定を進めてきたHTMLワーキンググループ共同チェアの1人、 Maciej Stachowiak氏は24日、メーリングリストに「HTML Working Group Changes」というタイトルで次のような内容で始まるメールをポストし、HTML5に続くHTML.nextの検討に向けた体制作りを始めると宣言しました(Mozillaの浅井氏のつぶやきで知りました)。
We have reached a point in the HTML WG where the W3C process and community expects to finalize the HTML 5 Recommendation-track specifications. For the last several years, Ian Hickson has been the editor of the HTML 5 spec. At the same time, we all recognize that work will begin on 'what will come after HTML 5'. As Ian is already working on proposals for this work, he has asked the chairs if someone else could volunteer to take the HTML 5 spec to REC. Today, we are announcing the following changes:
私たちはHTMLワーキンググループとして、W3Cのプロセスとコミュニティの期待がHTML 5の勧告を完了させられるところまで到達した。この数年間、Ian HicksonはHTML 5仕様のエディタを務めてきた。
と同時に、私たちはこの作業がHTML5の先に続くものであると分かっている。Ianはすでにそのための提案作りに取りかかっており、HTML5を勧告にしてくれる人が自分の他に誰かいないかどうかたずねている。そこで私たちは以下の変更について発表する。
HTML5のコア部分はラストコールを迎え、あとは勧告を待つばかり。HTMLワーキンググループはHTML5の次を検討するために体制を変更する、ということを発表する、というわけです。
まだHTML.nextがどのようなものになるのかは分からない
メールの続きにある体制変更の内容をざっとまとめると次のようになります。
- W3CはHTML5とCanvas 2D Contextを勧告とするためのエディタを探している。
- HTMLワーキンググループの今後について役立つ提案を歓迎する。
- Ian Hickson氏は引き続きWHATWG HTMLのエディタは担当し続ける
- W3CはHTMLワーキンググループの憲章を、HTML.nextHTML5の勧告作業と並行できるように拡張する作業にかかる
これまでHTML5の策定を引っ張ってきたIan Hickson氏がHTML.nextの作業に集中できるように、現在のHTML5とCanvasに関してこれから勧告までの作業を担当する新たなエディタを募集するということと、HTMLワーキンググループの憲章を拡張するという2点が柱のようです。
HTML.nextは以前からHTMLワーキンググループの中で話題になってはいたようですが、それがどのようなものになるのか、まだ伝わってきていません。しかしHTML5はすでにPC、モバイルを含むほとんどあらゆるデバイスのアプリケーションプラットフォームになろうとしています。HTML.nextはITの進化に大きな影響を与えるものになることは間違いないでしょう。
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