グーグルがGoogle Cloud Platformを強化。仮想マシンやストレージの価格引き下げ、ハイメモリ、ハイCPUインスタンスも追加
グーグルは、Google Cloud Platformの強化をOfficial Google Enterprise Blogにポストした「Google Cloud Platform: new features, lower prices, extending European datacenters」(Google Cloud Platform:新機能、価格引き下げ、欧州への拡張)で発表しました。
グーグルは、開発言語としてPythonやJavaとNoSQLデータベースなどが利用できるPaaS型のクラウドサービス「Google App Engine」をクラウドプラットフォームとして以前から提供していましたが、今年5月には大規模データの分析エンジンである「Google BigQuery」を発表、6月に仮想マシンやストレージなどを提供するIaaS型のクラウドサービスとして「Google Compute Engine」「Google Cloud Storage」を発表してIaaS市場へ参入、10月にはMySQL互換のリレーショナルデータベースを提供する「Google Cloud SQL」を公開と、相次いでクラウドサービスを強化、これらを「Google Cloud Platform」ブランドとしてまとめました。
今回の主な強化ポイントは、仮想マシンとストレージの価格引き下げ、ストレージの信頼性に関する新機能、欧州データセンターの開設など。グーグルは2週間前にGoogle Cloud SQLの強化を発表したばかりで、矢継ぎ早の強化はAmazonクラウドへの対抗措置を本格化させているのではないかと報道されています。
- Google spiffs up its cloud — take that Amazon! —GigaOm
- Google Adds Cloud Infrastructure Muscle Vs. Amazon - InformationWeek
ストレージに低価格オプションとオブジェクトバージョン管理機能
今回の最も大きな変化はGoogle Cloud Storageに関して。サービス価格が約20%引き下げられました。また、通常のストレージよりも可用性を下げる代わりに、より安価に提供される「Durable Reduced Availability」(DRA)オプションを追加(現在は限定プレビュー中)。
DRAは可用性は劣るもののレイテンシやデータの耐久性は変わらないため、バッチ処理時の一時利用ストレージなど、処理が失敗してもリスケジュールが容易な処理に向いているとグーグルは説明しています。
また、新機能として「Object Versioning」(オブジェクトのバージョン管理)機能が追加されています。操作ミスや事故などでオブジェクトを書き換えてしまったり消去してしまったとしても、バージョン管理機能で復帰可能です。
ハイメモリ、ハイCPUにスナップショット機能、欧州データセンター開設
Google Compute Engineは、これまでのスタンダードインスタンスが5%程度値下げされたのに加え、多くのメモリを搭載したハイメモリインスタンスと、プロセッサ能力に特化したハイCPUインスタンスが追加されました。
新機能として「Persistent Disk Snapshotting」(パーシステントディスクスナップショット)機能が追加。仮想マシンのディスクをスナップショットとして保存することで、容易に仮想マシンをデプロイできるようになります。
また、欧州データセンターの開設も予定されており、希望者への限定プレビューが始まっています。
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