Fusion-ioは単なる高速ドライブではない。フラッシュを拡張メモリ領域として利用できるSDK公開。内部へネイティブアクセス可能に
Fusion-ioは4月18日、同社のioDrive製品群の内部へネイティブにアクセスできるソフトウェア開発キット(SDK)をリリースしました。
ioDrive製品は、サーバのPCIeインターフェイスに接続するフラッシュドライブで、その桁外れな高速性ゆえに注目されてきました。
今回発表されたSDKは、アプリケーションから内部のフラッシュメモリ空間(同社の呼称でioMemory)に直接アクセス可能にするものです。不揮発性であるフラッシュメモリの特性を活かし、API経由で主に以下の機能を提供します。
- アプリケーションからioMemoryを拡張メモリ空間として利用可能
- アプリケーションからioMemoryを不揮発性のメモリ領域として利用可能
- 超高速なキーバリュー型データストアとして利用可能
- ioMemoryの状態をアプリケーションが取得可能
これによりアプリケーション自体が高速で実行可能になるほか、アプリケーションの新たな差別化機能としても利用できるとFusion-ioは説明しています。
次世代のコンピュータアーキテクチャを既存技術で実現
以前からメモリメーカーは、現在のコンピュータのメインメモリに使われているDRAM並の高速なアクセス性を備えたまま、電源がなくてもデータが保持できる永続性を持った次世代不揮発性メモリの開発を行ってきました。FeRAM、ReRAM、MRAMなど、さまざまな技術の開発はいまも続いています。
コンピュータのメモリが永続性を持つというのは、かなり現実的な将来のコンピュータの姿であり、そうなるとデータを保存するためにディスクドライブへ書き込む処理は不要になり(メモリに入りきらない大規模データの保存には引き続き必要でしょうけれど)、OSを含むあらゆるソフトウェアのアーキテクチャは一変するでしょう。
Fusion-ioの今回のSDKリリースは、こうした次世代コンピュータが備えるであろうアーキテクチャを広く利用されている既存のフラッシュメモリをベースに構築し、利用可能にしたという点で、重要な出来事ではないかと思います。
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