EMCがフラッシュストレージへの全面的な取り組みを宣言、EMC World 2012
ストレージ最大手の米EMCが、フラッシュストレージに対する全面的な取り組みを、先週行われたEMC World 2012で明らかにしました。
同社のプレジデント兼COO パット・ゲルシンガー(Pat Gelsinger)氏は基調講演で「VNX、Isilon、VMAXのすべてのストレージアレイをフラッシュイネーブルにする」と、同社の主力製品である大型ストレージアレイのフラッシュ対応を発表。
それだけでなく、現在開発中のフラッシュストレージ「Project Thunder」、そして5月10日に買収を発表したばかりのフルフラッシュストレージベンダのextremeIOの製品をベースにした新製品「Project X」も開発中と発表。これに今年2月に発表したPCIe接続のサーバ内蔵型フラッシュストレージ「VFCache」を加え、「Full range of flash offering(すべての領域でフラッシュに対応する)」(ゲルシンガー氏)と宣言しました。
VFCacheがFusion-ioと直接競合するPCIe接続型のサーバ内蔵型フラッシュストレージなのに対し、Project Thunderはサーバに対してInfinibandのような高速で低レイテンシなネットワークで接続するフラッシュストレージアプライアンスとなり、サーバ内蔵型よりも大規模なストレージを実現するものとなりそうです。
そしてProject Xはフルフラッシュの高速なストレージアレイになると見られており、既存のNVX、Isilon、VMAXはハードディスクとフラッシュの両方を搭載できるハイブリッドストレージへになると説明されています。
EMCの強味はソフトウェアによる統合
こうしたフルラインナップでのフラッシュへの取り組みに対して、同社の最大の強味はソフトウェアにあるとゲルシンガー氏。
同社の自動階層化ソフトウェアの「FAST」によって、ストレージアレイからサーバ内蔵型ストレージまでのティア(階層)を統合的に管理し、用途や目的によってデータを適切なティアに移動させるとともに、ストレージのポリシーやストレージに対するAPIなどもFASTで一元的な管理を実現することで、最適に統合されたストレージシステムを提供するとしています。