[速報] クラウドの先はソーシャルだと、明確に指し示すセールスフォース・ドットコム。Dreamforce 2012
クラウドはもう当たり前、次にビジネスを変えるのはソーシャルだ。セールスフォース・ドットコムがサンフランシスコで開催中のイベントDreamforce 2012。3時間に及ぶ基調講演のメッセージをまとめれば、このように言えるでしょう。
同社のCEO マーク・ベニオフ氏は、いかにソーシャルメディアが企業を、ビジネスを、働き方を変えるのかを次々に参加者の目の前に提示して見せました。そしてあらゆる面でソーシャルメディアによる変革が起きているのだと強調します。
ちなみに同社は先週、それまでソーシャルメディアを活用する企業を指す用語「ソーシャルエンタープライズ」を、今後のマーケティングでは使わないと宣言しました。そしてその宣言通り、基調講演でソーシャルエンタープライズという用語が使われることはありませんでした(ただし、事例紹介ビデオの一部に見ることはありましたが)。
基調講演の模様をダイジェストで紹介します。
ソーシャルメディアで会社を変える、仕事を変える
セールスフォース・ドットコム CEO マーク・ベニオフ氏。
コンピュータ業界は1960年代に始まり、メインフレームからミニコン、クライアント/サーバ、そしてクラウドの時代が登場し、続いてモバイルコンピューティングの時代がやってきた。
そして今私たちがいるのはソーシャル革命の時代だ。
そしてこの分野への投資は急速に増えている。年間で47%の成長分野だ。
IBMの調査によると、CEOにとって顧客との接触経路としてソーシャルネットワーキングは2番目に重視しているという。
これまでのビジネスの効率化のためには、ERPなどバックオフィスへの投資が重視されていたが、これからはクラウド、ソーシャル、モバイルよる顧客との接触、交流が重視されるようになる。
昨年のDreamforceが終わった後、GE(ゼネラルエレクトロニクス)のCEOから電話をもらった。そこで、GEがビジネスでソーシャルメディアを使うというアイデアを提案した。例えばGEは航空機のエンジンを作っているが、エンジンのAPIとソーシャルメディアをつなげ、そのコミュニティにはエンジニアもサポート担当も顧客も入ってもらう。エンジンのような製品、飛行機やガスタービンといった製品を中心にしてコミュニティを作ることで新しいレベルのカスタマサービスにフォーカスする。
実際にGEはJALのドリームライナー開発で、一緒に情報共有を行った。
私はこの話が好きだ。GEはソーシャルメディアで会社を変え、働き方を変え、顧客との関係を変えることに成功したのだ。
Salesforce Touch、Chatter Communitiyの発表
Salesforceをどこへでも持って行けるようになった。Salesforce Touchを正式に発表する。HTML5を使っており、どんなデバイスからでもSalesforceへアクセスできる。
パートナー企業とのコミュニティが作れるChatter Community for Partnersも発表する。スポーツメーカーのロシニョールは、パートナーとのコミュニティで成功している。
ガートナーの予想によると、2017年までにはCMOがCIOよりもITを活用するのだという。新しいマーケティングのやり方、アプリケーションが出てくる。そこで、ソーシャルメディアのマーケティングに対応したMarketing Cloudもリリースする。
1つのソフトウェアの中で、予算、効果の計測、効果の金額を扱うことができる。ソーシャルへの投資効率がこれで管理できる。
Virgin America航空では、カスタマイズされたChatter Communitiesを用いて、座席のスクリーンが顧客をもてなしてくれる。また、社内の従業員もコミュニティに参加しており、例えば次のハブ空港はどこがいい、といった投票をすることができる。
ソーシャル対応の人材管理
ソーシャルな働き方を実現した組織では、人材管理部門についても新しいアプリケーションが必要になるだろう。
Work.comはソーシャルに対応させた人材管理サービスをゼロから作り上げたものだ。Facebookはこのファーストカスタマであり、Mozilla、SpotfyやGuiltなどがすでに採用している。
これ1つで、コーチング、業務成果、コンテントリッチなパフォーマンスビュー、ファクトベースでの会話などを実現する。
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