またChromeがOSに一歩近づく。Chrome Web Storeにオフラインアプリ専用のコーナーが登場
グーグルのWebブラウザであるChromeの「拡張機能」は、Webブラウザをちょっと便利にする小さな機能だけでなく、本格的なゲームが遊べたり、写真が保存できたりといった、これまでWindowsアプリケーションとして実行されていたような本格的なアプリケーションまでWebブラウザの上で実現されるようになってきています。
そして先日6月12日、グーグルはChromeの拡張機能を提供しているChrome Web Storeに、オフラインで使えるアプリケーション専用のコーナーを開設したと発表しました。
Google DocsとGoogle Driveがあれば、Windowsがなくても……
新しく作られた「オフラインアプリケーション」コーナーには、オフラインでもメールが見られる「GMail」、ドキュメントを編集できる「Google Docs」をはじめ、人気ゲームの「Angry Birds」、Webページを保存できる「Read Later Fast」、新聞記事が読める「NYTimes」などのアプリケーションが並んでいます。
ただし、このタイミングでChromeにオフライン機能が加わったわけではありません。この機能は少し前からHTML5の機能として実装されており、対応するアプリケーションも多数ありました。あくまで、Chrome Web Storeでオフラインアプリケーションのコーナーを明確にした、ということです。
とはいえ、グーグルは先日クラウドとPC上のファイルを同期する「Google Drive」を発表しました。これと、Google Docsのオフライン機能を組み合わせれば、オフラインでもWebブラウザからGoogle Docsでワープロを立ち上げて、ローカルのファイルを編集、保存する、といったことができるようになるでしょう(試してはいないのですが)。WindowsもOfficeも不要です。
グーグルは先月、新型Chrome Bookの発表と同時にChrome OSのアップデートを行い、オフライン機能を追加しました。これも同様の動きで、グーグルは「オフラインでもChromeを便利なアプリケーションのためのプラットフォームにする」という戦略を着々と進めています。
グーグルはChromeのオフラインアプリケーションを強調することで、ChromeがWindows OSのようなアプリケーションのプラットフォームであることをデベロッパーとユーザーに、以前より積極的にアピールし始めたのです。
この先には、ChromeがまるでOSのようにアプリケーションのプラットフォームになり、MacOSでもWindowsでもLinuxでも、Chromeが動いていれば共通のアプリケーションが実行できるという方向性が明確に描かれています。