データセンター自動化ツール「Chef」、国内の商用提供開始。クリエーションライン
多くのサーバが投入されるデータセンターでは、多数のサーバに対してソフトウェアの構成や設定を人の手で行っていては作業スピードが追いつかないばかりか、設定の間違いによる運用のミスにもつながってしまいます。
データセンターでいま注目されているツールのひとつが、そうした大量のサーバの構成や運用を自動化する「Chef」(シェフ)です。Chefは米Opscodeがオープンソースで開発しているツールで、機能を強化した商用版やサポートなども同社が提供しています。
Chefは大規模なWebサービスなどの現場で最近注目され始めており、国内ではサイバーエージェントの「アメーバピグ」など大規模システムの現場の構成自動化などですでに使われています。
国内でクラウド関連の設計や構築などを行っているクリエーションラインは10月2日、Opscodeと提携し、Chefの国内での商用ライセンス販売、保守サポート、コンサルティングやトレーニングなどを開始すると発表しました。
開発者と運用者が協力するDevOpsに適合
Chefの特徴は、サーバの構成や運用の仕組みをプログラムのコードとして書くことができる点です。発表に合わせて来日したChefの開発元である米Opscode CEO Mitch Hill氏は、このことによってシステムの開発を担当するデベロッパーも、運用を担当するオペレータも、同じソースコード管理システムの上でコードをベースに仕事をすることができるため、両者が互いに協力してビジネスを推進するDevOpsの実践にChefが非常に適合していることを指摘しました。
Mill氏は米国でのChefの利用状況として、まずクラウドベンダなど大規模なデータセンターを抱える企業をが採用し、次いでオンラインゲーム企業、ECサイトなど、大規模なWebサイトを運用する企業が続き、現在では金融や流通と行った通常の企業での導入も行われているとのこと。
一方クリエーションラインの代表取締役 安田忠弘氏は日本での展開について、まずはキャリアやオンラインゲームなどの企業を想定し、その先にはエンタープライズ向けのマーケットが立ち上がるだろうとの考えを示しました。
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