高速化したAndroid 4.1、タブレットのNexus 7、そして家庭用新デバイスNexus Qが登場。Google I/O 2012
Googleのイベント「Google I/O 2012」が日本時間の今日深夜からサンフランシスコで開幕しました。
初日となる今日はAndroid関連の基調講演が行われ、新バージョンとなるAndroid 4.1の発表と、噂になっていたグーグル製タブレットの姿がついに明らかになりました。さらに予想されていなかった家庭用の新デバイスも発表されています。
そしてキーノートが終わりにさしかかろうというそのとき、舞台上にGoogleの創立者のひとり、サーゲイ・ブリン氏が突然登場しますが、その話は後編で紹介するとして、まずはキーノート前半のハイライトを紹介しましょう
Android 4.1、Jelly Beanが登場
AndroidのDirector of Product Management、Hugo Barra氏。
昨年のGoogle I/Oでは、これまでに1億台のAndroidがアクティベートされたことを紹介した。あれから1年、今回のGoogle I/Oでは、これまでに4億台がアクティベートされた。いまでは毎日100万台のAndroidがアクティベートされている。
そしてここでAndroidの次のバージョン、 Android 4.1 Jelly Beanを紹介しよう。
Android 4.1の最大の特徴は、Project Butterによる性能向上だ。画面描画をVSyncに同期させる「VSync」、グラフィックパイプライン処理の「Triple Buffering」ではGPU、CPU、ディスプレイがパラレルに動作し、タッチの反応を向上した「Touch Responsiveness」の3つが含まれている。
新しいSDKに含まれるツール「Systrace」は、Linuxカーネルの状態を直接得ることができ、性能の最適化に役立つ。
Android 4.1は前バージョンのIce Cream Sandwitchと比較して、より速くスムーズに動作する。
使い勝手も改善されており、ホームスクリーンにウィジェットを置くと、自動的にアイコンが移動する。あるいはリサイズされる。
キーボードの入力予測。
オフラインでの音声認識を実現。認識ソフトウェアを小型化してクライアントに入れた。
Googleのサーチも改善された。ボイスサーチができる。やってみよう「 Who is the priminister of Japan?」(日本の首相は誰?)
(会場から拍手)
そのほか「What is a definition of robot?」(ロボットの定義は?)、「How tall is Spaceneedle?」(シアトルにあるスペースニードル塔の高さは?)、「show me picture of pygmy mamoset」(小型ザルのピグミーマーモセットの写真を見せて)などに回答。
状況を自動的に理解して情報提供するGoogle Now
Google Nowという新機能。これは適切な情報を適切なタイミングでユーザーに提示するというもの。現在位置や履歴、カレンダーに入っている予定などを参照して、提示する情報を判断する。
Google Nowでは、画面をスクロールさせていけば、どんどん必要な情報が出てくる。例えば、いま駅やバス停にいるとすると、次にやってくる電車やバスの情報を表示。
家にいて、出かける予定がカレンダーに入っていれば、いつ出かければいいかを教えてくれるし、好きなスポーツチームの試合結果をリアルタイムで教えてくれる。
ここからさらに機能を追加していく予定だ。
(新野コメント:これは利用者がほしい情報を得るためにアプリを選んで実行するのではなく、デバイスが自発的に状況を判断してアプリを起動しユーザーに提示するという、モバイルアプリの新しいパラダイムへの一歩のように見える。かつてグーグルは、数が増えすぎたネット上の情報から適切な情報を選び出す検索エンジンで頭角を表した。今度は増えすぎたアプリの中から、ユーザーとその状況にあったものをよりインテリジェントに選ぶことにチャレンジしているようだ)
Android 4.1 Jelly Beanの提供は7月中旬から。SDKは今日からデベロッパープレビュー版を提供する。
また、デバイスメーカー向けのPlatform Development Kitも提供を始める。これはデバイスメーカーがハードウェアにAndroidを最適化できるキットだ。
グーグル製タブレットのNexus 7発表
次はGoogle Play。音楽、映像、書籍などを提供してきた。いま、60万種類のアプリやゲームがあり、200億回もインストールされている。
アプリケーションの暗号化、Smart App Update、無制限のGoogle Cloud Messagingを新たに提供する。
さらに、新たなコンテンツとして雑誌が加わる。エスクワイヤやワイヤードなどが含まれる。
そしてこのGoogle Playの体験をさらに推し進めるために、ASUSとパートナーシップを結びタブレットの「Nexus 7」を発表する。これはAndroid 4.1とGoogle Playのために作られた。
1280x800のHD解像度。Tegra 3プロセッサはクワッドコアで、さらに12コアのGPUも搭載。ゲームが高速でスムーズに動く。
Wi-FiとBlueTooth、NFCを搭載。9時間の映画再生が可能なバッテリ容量で、重さは340グラム。これはペーパーバックの平均的重さだ。
Nexss 7では、Chrome が標準ブラウザになる。
雑誌や映画を見るのに最適なデバイスだ。ゲームデバイスとしても真剣に使える。Google Mapのオフライン機能も使えるようになる。
199ドルで7月中旬に北米で出荷予定。
(新野コメント:コンテンツの利用に特化したような大きさとスペックは、Kindle Fireの競合に見える)
家庭で映画や音楽を楽しむデバイス「Nexus Q」
コンシューマエレクトロニクスの新しい時代が始まる。ハードウェア、ソフトウェア、クラウドを組み合わせたパワーを持つ、グーグルが最初からデザインしたデバイスを発表する。
Nexus Q。
これは小さなAndroidコンピュータで、家庭内で使うことを想定している。Google Playと緊密にインテグレーションされていて、動画や音楽をレンダリングして出力する。
手もとのAndroidから操作し、Nexus Qのプレイリストに映画や音楽を追加できる。
Nexus Qはアンプを内蔵しているためスピーカーに接続し、HDMIコネクタでテレビに接続できる。コンテンツはクラウドからやってくる。
299ドル。今日から注文を受け付ける。7月に発売。
Google+が一周年。そこへサーゲイ・ブリン氏が乱入
明日の夜がGoogle+の1周年だ。
いまやGoogle+には、デスクトップよりもモバイルから訪れるユーザーの方が多い。そこで、タブレットバージョンのGoogle+を発表する。
Google+のタブレットバージョンは、非常に美しい画面構成になる。
と、そこへ突然割り込んできたのがGoogle創立者のひとり、サーゲイ・ブリン氏。「ちょっといいかい?」。変なメガネをかけている。みんなこのメガネのデモが見たいよね? (会場:イエー!)
会場は突然のサーゲイ氏の登場で盛り上がり始める。
≫続きは後編「Google、メガネ型のウェアラブルコンピュータをスカイダイビングの生中継で披露。カメラ、マイク、ビデオなどを搭載。Google I/O 2012」へ
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