Amazonクラウド、オンプレミスのクラウド基盤としてEucalyptusと提携。API互換維持などサポート
オンプレミスで構築されるプライベートクラウドの基盤としてEucalyptusを利用したシステムと、パブリッククラウドとして提供されるAmazonクラウドの相互運用性を高めるとして、Amazon Web ServicesとEucalyptusが提携を発表しました。発表は米国で行われたもので、日本では未発表です。
今回の提携は、Eucalyptusで構築したオンプレミスのシステムと、Amazonクラウドのシステムの移行を容易にすることが目的。そのためにAmazonクラウドはEucalyptusのAPI互換を支援するとのことです。以下はプレスリリースから引用。
As part of this agreement, AWS will support Eucalyptus as they continue to extend compatibility with AWS APIs and customer use cases. Customers can run applications in their existing datacenters that are compatible with popular Amazon Web Services such as Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2) and Amazon Simple Storage Service (Amazon S3).
この提携の一部として、AWSはEucalyptusが継続的にAWS APIの互換性とユースケースを拡張していくことを支援する。顧客は、Amazon EC2やAmazon S3などと互換性のある既存の自社データセンターでアプリケーションを稼働させることができるようになる。
Eucalyptusに再び注目が集まるか
なぜOpenStackでもCloudStackでもなく、Eucalyptusが提携として選ばれたのでしょうか。Eucalyptusは当初からAmazonクラウド互換のAPIであることが大きな特徴であり、いまでもその特徴を維持し続けているがゆえに、今回の提携となったものと考えられます。
Eucalyptusは2009年頃の登場当初はオープンソースのクラウド基盤として注目されていました。しかしその後、vSphereやOpenStack、CloudStackなどのよりスケーラブルで強力なクラウド基盤の登場によって、最近ではその存在感が薄くなっていたところです。そのEucalyptusに飛び込んできたクラウドのトップベンダであるAmazon Web Servicesとの提携は、Eucalyptusを再び有力なクラウド基盤として注目させるきっかけになるかもしれません。
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