Amazonクラウドが専用線の直結サービス開始。で、直結するデータセンターの場所はどこ?
クラウドは一般にインターネットの向こう側に存在するものです。しかし多くの企業(の情報システム部門)にとって、どの経路をたどるのか、どれだけの帯域幅が使えるのかが保証されていないベストエフォートのかたまりであるインターネットの向こう側に、大事なデータを預けるのは躊躇するものでした。
この課題を解決するために、Amazon Web Servicesはクラウドのデータセンターに直結された専用線を利用できるサービス「AWS Direct Connect」の開始を発表しています。
AWS Direct Coneectを利用することで、企業は自社のデーセンターへの接続と同様の安定した高速な通信を保証した上で、いつでも好きなだけ必要なサーバリソースやストレージなどを調達できるというクラウドの利便性を享受することができます。
パブリッククラウド内で仮想的な自社のプライベートクラウドを構築できるAmazon Virtual Private Cloud(VPC)にも接続することで、あたかも専用線で接続された自社のプライベートクラウド用データセンターを所有しているかのような構成を実現します。
クラウドと同一データセンター内でホスティングも
ただし、まだ企業にとってクラウドの懸念点が存在します。それは、クラウドで提供されるサーバが仮想サーバであるため、他の企業と物理サーバを共有する可能性があることです。物理サーバを共有することで、サーバやストレージの性能の懸念、および、仮想化ソフトウェアのセキュリティホールについての懸念などが残ります。
Amazonクラウドでは、物理サーバの専有を保証する「Dedicated Instance」を提供することで、こうした懸念を持つ企業に対応しています。
また、スカイアーチネットワークスはAmazonクラウドと同一データセンター内で、AWS Direct Connectに対応したホスティング/ハウジングサービスを提供すると発表しています。Amazonクラウドと同一データセンター内で物理サーバを完全に専有できるため、性能やセキュリティの懸念に対応できるサービスといえるでしょう。
クラウドデータセンターはどこにある?
ところで、今回発表された「AWS Direct Connect」の価格表を見ると、Amazonクラウドの東京データセンターのロケーションが「Equinix TY2、東京」と書いてあります。
つまりエクイニクスの東京第二データセンターが接続ポイントのようです。
エクイニクスは、アメリカ、カナダ、ブラジルなどの南米北米、フランス、ドイツ、オランダ、スイス、イギリスなど欧州、そしてオーストラリア、中国、シンガポール、日本などのアジアと、世界中にデータセンターを展開している企業。
日本では東京に第一、第二、第三の3つのデータセンターをそれぞれ平和島、東品川、江東に展開し、相互に高速回線で結ばれています。第三データセンターは昨年開設されたばかりです。
ということは推測ですが、Amazonクラウドのデータセンターはこの第二データセンターと、別のアベイラビリティゾーンとして第三データセンターを使っているのかもしれません。
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