Amazonクラウド、2テラバイトのSSD、60GBメモリ搭載で12万IOPSを実現するインスタンスを発表
ハードディスクドライブよりも圧倒的に高速なSSDをローカルストレージとして搭載し、10ギガビットイーサネットで接続されたインスタンスを、Amazonクラウドが発表しました。
この「ハイ I/O クワドラプル エクストラ ラージ」インスタンスを準仮想化で利用した場合には、12万IOPS(4KBブロックのランダムリード)の性能を発揮し、I/O負荷が集中するようなデータベースサーバを従来よりもずっと高速に実行可能です。
スペックは以下。
- 8仮想コア、合計で35ECU (EC2 コンピュートユニット)
- ハードウェア仮想化もしくは準仮想化
- 60.5GBメモリ
- 10ギガビットイーサネット
- 2テラバイトのローカルSSDストレージ
コスト半分で同一スループット、レイテンシは短縮
Amazonクラウドは今年1月から、SSDを用いたNoSQLデータベースサービス「DynamoDB」の提供を開始していました。DynamoDBは応答速度を設定できる高い性能とスケーラビリティが特徴です。
おそらくAmazonクラウドはここでSSD対応サーバの大規模展開の経験を積み、今回の汎用的なインスタンスへの展開へとつなげたのではないでしょうか。
動画配信サービスのNetFlixは、ブログにポストした記事「Benchmarking High Performance I/O with SSD for Cassandra on AWS」で早くもSSD対応インスタンスのベンチマークを行っています。
それによると、既存のハードディスクをベースにしたインスタンスで展開した場合よりもコスト半分で同一スループット、平均的なリードのレイテンシが10ミリ秒から2.2ミリ秒へ短縮されたことが結論として示されています。
- The hi1.4xlarge configuration is about half the system cost for the same throughput.
- The mean read request latency was reduced from 10ms to 2.2ms.
- The 99th percentile request latency was reduced from 65ms to 10ms.
これまでクラウドでのI/O性能の改善は、一般にスケールアウトのアーキテクチャによって解決されてきました。しかしこれは既存のアプリケーションに対してもアーキテクチャの変更を迫るものであり、比較的高いハードルでした。それがSSD対応インスタンスの登場によって、より手軽かつ強力なI/O性能のスケールアップが可能になったといえそうです。