ストレージ分野で起きている7つのテクノロジーシフト。フラッシュストレージ/汎用サーバ化/スケールアウトなど
サーバ分野ではサーバの仮想化が登場し、ネットワーク分野ではSoftware-Defined Networkが登場して大きなテクノロジーの変化が起きているように、ストレージ分野でもいま大きな変化が起きています。
ストレージ最大手EMCのVP、Chuck Hollis氏が自身のブログに「The Seven Shifts In Storage - Chuck's Blog」このストレージ分野で起きているテクノロジーの変化を紹介しています。現状の変化を的確に示しているこのエントリの、各項目を見ていくことにしましょう。
ストレージ分野の7つのテクノロジーシフト
#1 ストレージメディアの変化
テープがディスクへと置き換えられたように、ディスクはフラッシュストレージへと置き換えられていくだろう。
#2 基盤技術の変化
これまでストレージアレイの基盤は、性能と可用性を実現するためにプロプライエタリもしくはカスタマイズされたハードウェアが使われていた。これは業界標準のハードウェアの上で高度なソフトウェアを実行するものとなり、価値の源泉はハードウェアからソフトウェア群へと移っていくだろう。
#3 アーキテクチャの変化
ビッグデータの世界では、スケールアウトなストレージアーキテクチャが求められている。複数のモジュールが大規模構成でクラスタ化され、それが1つのユニットとして機能や容量が管理できるものだ。
これまでのストレージはスケールアップできたか? もちろんそうではなかった。
#4 サーバ、ネットワーク、ストレージの集約(コンバージェンス)
より高い効率性を求めて、サーバ、ネットワーク、ストレージは協調して成長していく。技術の方向性は、さまざまなストレージ、コンピュート、メモリが集約され自動的に構成されて、ワークロードをシームレスに再配分していくものになるだろう。
#5 距離の克服
データの保護、性能要件、あるいはリソースの配分などのため、データの地理的分散への要求が高まっている。フェデレーションアーキテクチャが求められる。
#6 マネジメントとオーケストレーション
ストレージは、ハイパーバイザ、ミドルウェア、アプリケーションなどから、ダイナミックかつ多様なサービスが求められるようになっている。これらに対する新しいマネジメントツールの必要性が高まっている。
#7 消費モデル
いまITは「as a Service」モデルが登場している。これにあたり、ストレージの消費をどう計測するのか、そしてストレージサービスをどう仲介、展開するのか、といった課題がある。
ストレージだけでなく、サーバもネットワークも同時に変化している
オリジナルのブログでは、それぞれの変化について詳しい説明とEMCの戦略についても触れられています。
ストレージのメディアがフラッシュとなり、ハードウェア基盤がx86サーバのようなものになる、というのはPublickeyでも追っているストレージの大きなトレンドです。全体が仮想化され、価値の源泉がソフトウェアに移っているのはほとんどすべての分野に共通すること。しかもこの変化がサーバやネットワークの変化と同時に起きている点が非常に重要な点です。
だからこそいまはサーバ、ネットワーク、ストレージなどの技術を同時に幅広くウォッチしていないと全体として何が起きているのかが分かりにくい、難しいけれど非常に面白い時代なのではないかと思います。
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