ジョインが70倍高速で、Memcached API搭載の「MySQL Cluster 7.2」正式版が登場
米オラクルは、オープンソースのデータベースとして普及しているMySQLをクラスタ化して利用するためのソフトウェア「MySQL Cluster 7.2」の正式版を公開しました。
GPLに準拠したオープンソース版と同時に、管理ツールを同梱し、24時間365日のサポートも行う商用版の「MySQL Cluster Carrier Grade Edition」も同時に公開しています。
ジョインが70倍高速に
MySQL Cluster 7.2の最大のポイントは、ジョインが高速になったことです。これまでクラスタでのジョインは、ジョインするテーブルのデータがクラスタ内のノード間をいちいち飛び交っていたため、複雑なジョインになるほど遅いものになっていました。
MySQL Cluster 7.2で採用されたAdaptive Query Localization(あるいはPush Down Joins)と呼ばれる技術では、ジョインする際に必要なデータのコピーがいっぺんにジョインを実行するサーバに飛んでいき、結果がもどってくるという仕組みになったため、複雑なジョインでも高速に行えるようになっています。
Memcached API搭載
MySQL Cluster 7.2のもう1つの大きな特徴が、Memcached APIを搭載したこと。アプリケーションからMemcachedと全く同じ方法でMySQL Cluster 7.2へアクセス可能になります。
これにより、例えば頻繁にデータが変更されるケースでは書き込みはMySQL ClusterとMemcachedへ同時に行い、読み込みはMemcachedから高速に行うようにしたり、あるいはデータのライフタイムが短いのであればつねにアプリケーションからMemcachedに対して読み書きするといった使い分けが柔軟にできるようになります。
このほかMySQL Cluster 7.2の新機能については、ブログ漢(おとこ)のコンピュータ道のエントリ「MySQL Cluster 7.2見参!Webでも使える熱いヤツがやってきた。」で詳しく説明してくれているので、あわせてお読みください。