エンタープライズがクラウドへ移行する6つの理由。AWS re:Invent基調講演(Day1)

2012年11月29日

米Amazon Web Service(AWS)にとって初めてとなる大型カンファレンス「AWS re:Invent」が、ラスベガスで開催されています。

古いドアを取り外して会議室のテーブル代わりにするような、徹底的なコスト削減を行うことで低価格を実現してきた小売りの魂を持ち続けるクラウドベンダのAWSが、どのような大型イベントを開催するのか。基調講演に注目していましたが、その規模と外観は、例えばマイクロソフトやオラクルやセールスフォース・ドットコムのような既存のベンダのイベントと変わらないようです。

この記事では、その基調講演で語られた内容の前半を、ダイジェストで紹介します。

Amazonクラウドの規模は爆発的に増加している

Amazon Web Services、シニアバイスプレジデント Andy Jassy氏。

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イベント名については社内で多くの議論があった。「re:Invent」という名前にしたのには2つの意味がある。1つは、クラウドを使うことで、ビジネスをAWSの上に作ることができる、ビジネスの始め方を再発明したということ。もう1つは、クラウドによってビジネスのスピード、アジリティといったものを改革していくということ。

このイベントには60カ国から6000人が参加してくれている。

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AWSの成長を見てみると、Amazon S3ではトータルで1.3兆個ものオブジェクトを保存しており、Amazon Elastic MapReduceでは370万ものクラスタを起動してきた。爆発的な増加だ。

Amazonは2003年当時、年間52億ドルのリテールビジネスを行っており、7800人の従業員がいた。2012年のいま、AWSではこの当時使っていたサーバと同じ数のサーバを、毎日追加している。

52億ドル規模の企業のサーバを同じ数を毎日追加しているのだ。

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データセンターは9つの地域、米国、東京、シンガポール、ブラジルなどに設置され、25のアベイラビリティーゾーン、38のエッジロケーションがある。

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NASAにおけるAWSの利用は、もっとも興味深い事例の1つだ(NASA CTOのゲストが舞台に登場)。

(ゲスト)火星探査におけるデータ処理は、自分のキャリアの中でもっとも厳しいものだった。

火星から届けられた画像はAmazon S3に入れられ、それをAmazon EC2の処理により画像化される。こうした処理はリアルタイムに公開されており、火星からの最初の画像は私たちが目にしたのと同時に、みなさんも見ることができた。

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エンタープライズがクラウドへ移行する6つの理由

Jessy氏。なぜ多くのエンタープライズの顧客がクラウドへと移行していくのだろう?

1つ目の理由は、オンプレミスよりも初期投資が柔軟になるためだ。2つ目の理由は、オンプレミスよりもコスト削減ができるためだ。IDCの調査では、クラウドの総所有コスト(TCO)は5年で70%も安価だという。

ここには連鎖的な作用がある。私たちが多くの顧客を得られれば、より大規模なインフラとなる。するとスケールによって単価が下がり、それが価格を下げることになり、するとより多くの顧客の獲得獲得になるのだ。

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私たちはさらにここでインフラのイノベーションを起こしており、2006年から23回もの値下げを発表している。そしてここでAmazon S3の値下げを発表しよう。

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多くのエンタープライズがクラウドへ移行していく理由の3つ目は、キャパシティについて心配する必要がないこと、4つ目は、スピードやアジリティを実現するためだ。従来はサーバの調達に2週間から6週間もかかっていたが、クラウドならば数千サーバであっても数分で調達でき、すぐにアプリケーションに取りかかれる。

これによってどの企業でもすばやくビジネスを試し、失敗や経験から学ぶことが低コストで可能になることでイノベーションを加速することが可能だ。

理由の5番目は、自社のコア事業ではないインフラ構築にわずらわされることなく、コア事業に取り組める。こと、そして6番目はグローバルに展開できることだ。スタートアップ企業でさえ、初日からグローバルでユーザーを獲得できる。

≫「Amazonはハイマージンをむさぼる既存の「偽装クラウド屋」とは違う。AWS re:Invent基調講演(Day1)」に続きます。

AWS re:Inventレポート

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