3分で分かる、Windows Azureの何が新しく変わったのか? 新機能のまとめ
IaaS機能を追加し、新しく生まれ変わったといっても過言ではないほどの変化を遂げたWindows Azure。6月8日に行われたローンチイベントの模様は、記事「[速報]新Windows Azure登場、IaaS型クラウドとしてLinuxやMySQLのサポートをデモ」で紹介しました。
今回のWindows Azureの進化は、「マイクロソフトがこれまでのWindows Azureをかなぐり捨てて、Amazonクラウドへ食らいつくために大変身を遂げた」と表現したいくらいのものです。そのクラウド市場への影響分析はここでは置いておくとして、あらためてWindows Azureがどう変わったのか、同社が記者向けの説明会で用いた資料から、ハイライトを紹介します。
Windows Azureで2016年までにトップシェアをとる!
今回のリリースは「Windows Azure Spring Release」という呼称になります。バージョン番号や年号などは特に付きません。強化点は以下のようにありますが、主な強化点は4つ。「仮想マシン」「Webサイト」「仮想ネットワーク」「SDK」です。
仮想マシンは、Amazonクラウドのように、あらかじめクラウド上に用意されたイメージからOSを選択することができます。OSはWindows Serverだけでなく、Linuxもあり、LAMPスタックがWindows Azure上に構築可能。
ちなみに基盤となる仮想化ハイパーバイザはWindows Server 2012のHyper-Vをベースとしたものであり、Windows Server 2012がリリースされると、仮想化のレイヤでクラウドとオンプレミスが緊密に連携するようになるはずです。
「Webサイト」は、数クリックで簡単にWordPrssなどのWebアプリケーションがWindows Azure上に構築できる機能。これまでクラウドには縁のなかったクリエイターやデベロッパーにも、クラウドをビジネスの基盤としてもらうための機能といえるでしょう。レンタルサーバなどに流れていたニーズを取り込もうとしているのかもしれません。
SDKにより、.NETはもちろん、Java、PHP、Node.js、Pythonの開発環境が構築可能。MacのコマンドラインからWindows Azureを操作できるのも興味深い点です。
Amazon VPCに相当するのがこの仮想ネットワーク。これでサイト単位でオンプレミスとクラウドを接続することができるようになり、企業にとって使いやすくなっています。
これが価格。何より、Webサイトは最大10サイトまで無料なのが目を引きます。
マイクロソフトは、2016年までにIaaS+PaaS市場でトップシェアをとる、と宣言しています。
Webブラウザが登場したとき、マイクロソフトがNetscapeをキャッチアップしたように、Javaが登場したときに.NETで競合したように、今回はAmazonクラウドに対して追撃を仕掛けているように見えます。
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